特定外来種「オオフサモ」を駆除する人々=瀬戸内町古仁屋仲里川=
環境省と瀬戸内町は31日、瀬戸内町古仁屋の仲里川で、特定外来種「オオフサモ」の駆除活動とモニタリング調査を行った。環境省職員、瀬戸内町役場職員、大島支庁瀬戸内事務所職員、エコツアーガイドや自然保護推進員ら約10人が参加。発見した「オオフサモ」を丁寧に取り除き、前回駆除した場所の見回り等を行った。
オオフサモはブラジル原産の外来種。その中でも特に生態系、人の生命または農林水産業へ被害をおよぼす、またはおよぼす恐れのある「特定外来種」に指定されている。環境省奄美群島国立公園管理事務所の池上温人=あつひと=自然保護官補佐によると、「熱帯魚の水槽などに鑑賞目的で使用されることが多く、ペットを飼育していた人などが川に捨ててしまうことで広がる」と説明。繁殖力が強く、一度生えると地中20㌢の深さまで根を広げ、少しでも根茎が残っているとそこからまた繁茂するという。
同駆除活動は、瀬戸内町の「持続可能な自然環境形成事業」の一環。同事業は奄美大島の世界遺産登録を見据え、希少種の保護や外来種の駆除、エコツアーの推進等を目指すもの。今年の1月~3月にかけて管内各地で駆除作業を行い、仲里川では3月3日、11日、14日に15人態勢で駆除作業を実施した。
参加者らは同日午前10時に仲里川へ集合し、池上さんが「外来種の駆除には定期的なモニタリングが重要」と趣旨を説明。注意深くオオフサモを探索し、前回駆除しきれなかった分や、残った茎から新しく生えたとみられるオオフサモを丁寧に取り除いた。
池上さんは「意外と多く残っていた。これからも外来種駆除へ向けてお互いに連携・協力しながら取り組んでいきたい」と話し、地域住民へは「オオフサモを見つけてもむやみに抜いたりせず、環境省や役場に通報してほしい」と呼び掛けた。