クロウサギ死亡個体相次いで発見

交通事故によるアマミノクロウサギの死亡個体が相次いで発見された第二麦田橋付近道路(環境省提供写真)=徳之島母間=

徳之島町母間「夜間運転に細心の注意を」
同一区間、生息域が拡大

環境省徳之島管理官事務所は31日、交通事故によるものと見られるアマミノクロウサギの死亡個体が5日、15日、25日と徳之島母間の同一区間で相次いで発見されたことを明らかにした。同所はアマミノクロウサギの生息域が当該地付近の川沿いに拡大していることが原因とみており、夜間の運転に注意するよう呼びかけている。

事故現場はいずれも第二麦田橋付近。5日の個体には前肢の骨折、15日の個体には左顔面の陥没、眼球突出、25日の個体には鼻出血がそれぞれ確認されたという。同所と徳之島町は、2件目の死亡個体の発生を受けて、同区間にロードキル防止の注意看板を設置。しかしほぼ同一地点で3件目の交通事故が発生したという。

環境省によると、今年はアマミノクロウサギの交通事故が頻発しており、同日現在徳之島だけで7件発生しているという。同事務所では今後、関係機関と連携し、アマミノクロウサギをはじめとする希少野生動物の交通事故防止の呼びかけ強化や、同区間周辺のアマミノクロウサギの生息状況の確認・目撃情報の収集を行うとし、警察と連携したパトロールの強化にも取り組むという。

同所の福井俊介国立公園管理官は「アマミノクロウサギの交通事故は思いもしない場所でも発生する可能性がある。交通事故を減らしていくためにも、夜間の運転には細心の注意を払い、すぐに停車できるスピードでの運転を心がけてほしい」と呼び掛けている。