奄美市役所本庁舎2階に掲示されている4種類ののぼり旗
奄美大島5市町村で組織する「奄美大島自然保護協議会(事務局・奄美市プロジェクト推進課)は、「奄美大島、徳之島。沖縄島北部および西表島」が、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関であるIUCN(国際自然保護連合)から世界自然遺産への登録がふさわしいとする勧告を受けたことを受け、各自治体の庁舎や幹線道路などに「世界自然遺産へ」などと書かれたのぼり旗を掲示、7月に予定されている世界遺産員会での正式登録に向けた機運づくりに取り組んでいる。また、登録を見込み、新たなのぼり旗1000本の作成も計画している。
現在、島内各地で掲げられているのぼり旗は、2017年と19年に作成したもので、それぞれ700本と500本の計1200本の4種類。国の特別天然記念物のアマミノクロウサギなど同島の希少な野生生物などがデザインされている。
同協議会では、これまでも観光イベントや世界自然遺産登録を目指した企画などの際、会場などにのぼり旗を掲示、PR活動などを行ってきたが、今回、登録勧告が出たことで、改めて正式登録に向けた、島内の機運を盛り上げ、世界中に世界自然遺産登録を目指す島として注目してもらおうと掲示する場所を増やした。
奄美市役所本庁舎では、1階入り口や4階の市長室周辺などのほか、2階に4種類すべてを掲示、住用、笠利両総合支所にも掲げられている。龍郷町は役場入口の国道58号線沿いに掲示している。
また、7月に予定されている世界遺産員会では、朝山毅市長が「登録の歴史的瞬間を全ての人と共有したい」とし、県と共催のパブリックビューイング(PV)を計画、市役所2階ロビーで同委員会の様子を伝えるインターネット中継を視聴する。
同協議会では、このPV会場で、新たに作成したのぼり旗のお披露目も行うことにしており、現在、デザインなどの検討を進めている。PVは、県庁と奄美大島、徳之島の3会場で実施される予定で、同協議会は「奄美大島の貴重な自然環境を世界にアピールするとともに、島民に奄美の魅力を再認識してもらう機会にしたい」と、正式登録に向け意気込んでいる。