「味の郷かさり」営業再開

地元産の野菜や果物が並ぶ味の郷かさり=奄美市笠利町節田=

今後は状況を見極めながら
地域住民ら訪れ野菜やお土産など手に

笠利町節田の「奄美市ひと・もの交流プラザ合同会社・味の郷かさり」(吉田茂子代表)は1日、1カ月ぶりに営業を再開した。味の郷かさりは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月30日から5月31日までの1カ月間、休業していた。開店と同時に、待ちわびていた地域住民や、観光客が続々と味の郷かさりを訪れ、野菜やお土産などを手に取っていた。

味の郷かさりは、奄美市の指定管理を受け、吉田さんが自主運営している農産物直売所兼観光案内所。地産地消を目指し、野菜や果物は全て地元の農家が卸したもの。奄美産の原料を使用したジュースやお菓子などの加工品も人気。

味の郷かさりは、昨年奄美でコロナ感染が確認されて以来、情勢に合わせて休業や開店を行っていたが、今回初めて1カ月間休業。「休業命令が出されたわけではないけれど、ここは空港から一番近い直売所だし、観光客を含め人の往来が多い。安全面を考えると休業するしかなかった」と話す吉田さん。休業中は農家の人々のことが気がかりだったという。「1カ月も休業してしまうと農家の方が困ってしまい、野菜も無駄になってしまう。とても心苦しかった」と胸の内を語った。

同日、味の郷かさりでは、カボチャやパッションフルーツ、スモモなど新鮮な野菜や果物が並び、ふなやきや黒糖ドーナツなどのお菓子、ミキなどの加工品を両手いっぱいに抱える人々の姿も見られた。

味の郷かさりを月に2~3回は利用していると話す山口猛さん(69)は「ドライブをしながらよくここに寄る。開店するかもしれないと思い、ここ数日毎日ここ(味の郷かさり)の前を車で通っていた。また再開してとてもうれしい」とほほ笑んだ。

吉田さんは「農家さんや消費者の方々の顔が見れてうれしい。たくさんお話して交流したいけれど、(コロナのため)しゃべるのは控えている」とにこやかに語り、「感染対策を徹底し、状況を見極めながら運営していく。ワクチンの接種が早く完了して、一日でも早くコロナが収束してくれたら」と話した。