「えらぶ島づくり事業協同組合」

「えらぶ島づくり事業協同組合」認定証授与式の参加者ら=和泊町=

県内初の取り組みスタート 人手不足解消へ

 【沖永良部】働き手不足の解消に向け、和泊、知名両町の8事業者でつくる「えらぶ島づくり事業協同組合」が県内で初めて認定された。4日、和泊町サンサンテレビ2階の同組合事務所で認定証授与式があった。複数市町村を対象にした組合は全国でも初めての取り組み。平安正吾組合長は「島への定住促進につなげ、ほかの地域の手本となるよう努めたい」と語った。

 同組合は、人口急減による過疎地域において季節ごとの労働需要に応じて働き手を派遣し、地域の担い手を確保するのが目的。

 昨年6月に施行された「人口急減地域特定地域づくり推進法」に基づき、労働者派遣事業を行う「特定地域づくり事業協同組合」を設立することで、通常は国の許可が必要となる労働者派遣事業を都道府県への届出で実施できる。組合運営費は、国と市町村が半額を助成、残りは人材派遣を受ける組合員が出資する。

 「えらぶ島づくり事業協同組合」は、3月21日に設立。事務局によると、今年度は島内の農家で働いているボラバイトなどを中心に募集を行い、8人を雇用する予定。7月1日から派遣を開始する。

 雇用されたメンバーは、組合員となっている農業法人や食料品製造会社、病院、老人福祉・介護事業所、総合スーパー、ホテルの6業種8事業者の中から派遣先を決める。繁忙期に合わせて夏は観光、冬は農業などの働き方もできる。

 授与式で平安理事長に認定証を手渡した県大島支庁沖永良部事務所の椛山良文所長は「島にマッチした事業。仕事の組み合わせによっては幅広い働き方ができる」と期待を込めた。

 知名町の今井力夫町長は「島の人材不足の解決のために大きな役目を背負っている。しっかりバックアップしたい」。和泊町の伊地知実利町長は「島内の事業者も期待している。組合が発展すれば、沖永良部の魅力も全国に広がる」と話した。