起業準備の心構え学ぶ

クラウドファンディングを活用した起業について学んだ実践会

クラウドファンディング活用で支援
広域事務組合

 インターネットで資金を調達するクラウドファンディングを活用した起業を支援する「奄美群島起業準備スクール・クラウドファンディング実践会」の第1回セミナーが5日、奄美市名瀬の奄美会館であった。一般社団法人沖縄・ビジネスインキュベーション・プラザの能塚善之代表が起業のための心構えなどを説明、実際にクラウドファンディングを利用し起業した女性らが体験談などを語った。

 実践会は奄美群島広域事務組合が窓口なり実施している2021年度スタートアップ支援実証事業で、7月31日までに、奄美群島の各島で各1回ずつ計5回開催される。今回はその1回目で、起業などを目指す受講生ら9人がインターネットの会議システムなどで受講した。

 能塚氏は、起業について「難しく考えすぎず、まわりの人たちのために、役に立ちたいという思いで、新しいことにチャレンジすることが大切。ささやかなことからまずやってみること。小さな実績や成功を積み重ねることで、応援してくれる人も増えてくる」などと語った。また、クラウドファンディングを行う際には、起業の目的や、具体的な商品、サービス内容を示すことができるよう事前準備をしっかり行うことの重要性を指摘。「役に立ちたいという思いをビジネスプランとして、しっかり提示することで、支援してくれるファンも増える」などと話した。

 宇検村で「とよひかり珈琲店」を経営する浅尾朱美さん(33)は、16年11月に開業資金調達のためクラウドファンディングを実施。約2カ月間で、目標額50万円を上回る68万円を集めた。浅尾さんは、クラウドファンディングを通し「オープン前に島内外に店のファンをつくることができ、店のコンセプトが整理できた」などと体験から学んだことを発表した。

 沖縄県でハンドメイド雑貨屋兼フォトスタジオを起業した屋嘉舞さんも、子どもの記念写真撮影を機に、フォトスタジオの運営を始めたことを説明。「普段の生活の中で気付いたことが、仕事につながるかもしれない」などと話した。

 次回の実践会は6月19日に喜界島で予定しており、計5回の講座でクラウドファンディングの活用法や資金調達後の活動など起業に必要な技能を学ぶ。