瀬戸内パッションフルーツ品質検討会

生産農家が持ち込んだパッションフルーツの糖度や酸度を測った

糖度、酸ともに平年並み
6月中旬には皇室献上へ

 瀬戸内町の重点品目で、収穫期を迎えているパッションフルーツの生産振興と販路拡大を図るため、「瀬戸内パッションブランド産地育成協議会品質検討会」が7日、せとうち物産館1階の農産加工室であった。生産農家16人28件の果実を持ち寄り分析した。今シーズンの糖度は平均17・0度(最高18・7度)、クエン酸度は平均1・91%で、糖度は過去11年平均値(2017年 除いて17~17・8度)。酸度も17年を除いて2~3%の間となっており、平年並みだった。

 検討会では、生産農家が各品種2果ずつ採取、収穫日は5・6・7日の3日間。2果平均果実量、糖度、クエン酸濃度を測定。同協議会の重村満久副会長は、「今回の分析では、持ち込まれたものの糖度が低く、酸度も低い農家が多くて意外と思ったが、試食するとジューシーで味はいいし、品質も良かった。数値は低いが、今年は個人差があって収穫日に幅があるから、これまでのかごしまブランドを保つように自助努力が必要」と語った。

 関係者からは、過去の開花期~成熟期の気象について説明。それによると12月~1月の気温は例年より低かった。一部植付時期が遅かったほ場では低温の影響により生育が悪かったが、10月から11月上旬までに植え付けたほ場では生育良好。今期の開花期間の前半は気温が高く、4月上旬に気温で、一部着果不良が見られたが概ね例年並みの着果量と報告。

 また、今後の栽培管理については、日中の晴天時にはハウス開閉をこまめに行い、急激な温度上昇を避けること。果実および葉のしおれが見られたら、その場所を堀り、根腐れしていないか地下水位を確認することや、果実への養水分供給の負担を減らすため、小玉果はすべて摘果する│などとしている。

 同協議会は16年5月に発足。現在の生産者数26人、うちエコファーマーが25人、うち認定農業者12人、「かごしま農林水産物認証制度(K│GAP)」認証を受けているほか、「かごしまブランド団体」としての認定も受けている。 

 瀬戸内町と同協議会では6月中旬に皇室への献上を行う予定で、12日(土曜)に「パッション祭り」を開く予定。コロナ禍できゅら島交流館がワクチン接種会場となっていることから場所は未定。