「畑かんマイスター」15人に増強

委嘱を受けた徳之島地域「畑かんマイスター」と高岡本部長ら=7日、徳之島町

模範営農示し 県営畑かん整備後押しへ 徳之島地域

 【徳之島】徳之島地域総合営農推進本部(高岡秀規本部長)の「徳之島地域畑かんマイスター」の委嘱状交付式が7日、JAあまみ徳之島事業本部ホール(徳之島町亀津)であった。水利用型の高収益農業を実践しつつ「徳之島ダム」受益地区への県営畑地かんがい設備(スプリンクラーなど)設置同意の拡大にも協力。5人増の計15人に増強した。

 畑かんマイスターは、同地域畑地かんがい営農ビジョン(2014年度策定)に基づき、国営徳之島用水土地改良事業(徳之島ダム)受益地区などにおける①畑地かんがい営農の積極的な実践②同営農実践など地域農業者への紹介・PR活動③同営農に関する行政への提言や地域での助言活動―などが目的。任期3年間。6年前、各町推薦の模範的な畑かん営農者計3人を初代マイスターに委嘱。3年前は計10人に、3代目の今回は計15人に増強した。

 高岡本部長(徳之島町長)は委嘱状交付式の冒頭、「畑かんは安定性・収益性の高い農業経営にも寄与し重要な財産。しかし、前年度末現在の畑かん整備同意率(徳之島ダム受益地区)は約30%、いまだこの財産を生かす環境が整っていない」と懸念。畑かん営農の「先駆的エキスパートとしての経験や技術を生かした畑かん営農の推進に」とあらためて協力を要請した。

 委嘱状を受けた同マイスターたちが抱負を紹介。「畑かんを活用して農業所得を向上。若者が島に帰って夢の持てる農業、付加価値の高い作物にチャレンジしたい」や「水を使ったバレイショ栽培(実証ほ場)で水の価値を実感。後継者や地域の方々にも水のありがたさを伝えたい」、「水(徳之島ダム用水)を活用して徳之島農業がますます発展し、若者たちに『農業は楽しい』と思えるように頑張りたい」など力強く述べた。

 国営徳之島用水事業(徳之島ダム)の受益対象面積計3451㌶に占める県営畑かん整備事業(スプリンクラー設置)における「散水開始面積」は729・7㌶(進捗率21・1%)。町別進捗率は徳之島町19・9%、天城町25・6%、伊仙町16・5%。各地区それぞれに県営同事業の申し込み期限が迫りつつある。

 【同地区「畑かんマイスター」(敬称略)】▽徳之島町、富田良一(亀津)、川上福良(下久志)、福岡輝男(亀津)、松本幸徳(花徳)、嶺山明(同)▽天城町 上岡弘明(浅間)、禎村良信(兼久)、福和輝(松原上区)、北郷泰徳(兼久)、竹田邦男(前野)▽伊仙町 谷村清次(木之香)、川本博光(同)、太田淳一(阿権)、西彦二(面縄)、美島拓也(河内)