奄美市市民広場・立体駐車場整備工事現場見学会に参加した奄美市立名瀬小学校の児童ら=奄美市市民広場=
フジタ・松元・村上特定建設工事共同企業体と内藤・重信設計共同企業体は8日、名瀬小学校(廣司正良校長・児童数354人)の小学6年生64人を対象に、奄美市市民広場・立体駐車場整備工事の現場見学会を開催した。同見学会では、㈱内藤建築事務所企画営業部の福田紘史一級建築士がスライドを用いて工事概要を説明した後、免震構造の見学や朝山毅市長らとの記念撮影を行った。児童らは福田さんの言葉に熱心に耳を傾け、先進的な技術と奄美らしさが盛り込まれた新しい公共施設に胸をときめかせている様子がうかがえた。
市本庁舎の建設事業は2016年9月開始。昨年3月末までに全ての工事が終了する予定だったが、新型コロナウイルスによる工事の遅れや入札の不調などで3度にわたり工期を延長。今月10日、14カ月遅れで全ての工事が竣工し、施工者から奄美市への引き渡しが行われる予定。
福田さんによると、同庁舎の特徴は▽奄美大島初の免震構造▽「奄美らしさ」のある紬スクリーン▽誰にとっても使いやすいユニバーサルデザイン―の3点。特に庁舎内のトイレは、乳児を連れた保護者、車いす利用者、身体まひ等障がいのある人などに実際に使用してもらい、使いやすいように設計を工夫したという。
見学会に参加した同小6年生の福山南音=なおと=くんは「奄美にちなんだデザインに感動した」と話し、川村大雅くん(同小6年)は「いろいろな人のために、誰にでも使えるデザインにしているところがすごい」と話した。中には「僕たちの税金がこういう風な使われ方をしていると知れてよかった」など頼もしい声も聞かれた。
同共同企業体・松村健太作業所長は「名瀬小学校には、通学路の変更など長期間にわたって工事に協力してもらっていたため、お礼をしたいと思った」と今回の趣旨を説明。「離島の仕事ということで、慣れないこともあり苦労したが、無事故無災害で竣工することができた。工事に携わった全ての方々に感謝を申し上げるとともに、一人でも多くの市民に利用してもらいたい」と感慨深げに語った。