奄美市パッションフルーツ品評会

外観などを一つ一つ丁寧に確認する審査員

金、銀、銅賞に輝いた柏さん(中央)、金城さん(右)、森永さん(左)の3人

「1個1個丁寧に」金賞に柏さん、外観高評価
銀賞金城さん、銅賞森永さん

 2021年度奄美市施設パッションフルーツ品評会(奄美市主催)が8日、同市名瀬浦上町の県農業開発総合センター大島支場で開かれた。市内の生産者13人(名瀬7人、笠利5人、住用1人)が出品、金賞に同市名瀬矢之脇町の柏昭仁さん(56)、銀賞に同市名瀬西仲勝、金城良洋さん(39)、銅賞に同市名瀬小俣町、森永幸二郎さん(39)がそれぞれ輝いた。金賞を受賞した柏さんのパッションは、外観の美しさが高く評価された。栽培を始めて10年目で初受賞を果たした柏さんは、「認めてもらうことができて大変うれしい」と喜んだ。

 品評会は、同支場の尾松直志支場長が委員長を務め、同市や県大島支庁、JAあまみの担当者らが、ルビースター品種のL規格(80㌘以上~100㌘未満)について、外観と糖度などの内容を審査。甘酸っぱく爽やかな香りに満たされた会場で、色合いや玉ぞろい、傷の有無などを一つ一つ確認した。

 今年のパッションフルーツは2月下旬から4月上旬にかけて気温が高かったことから、全体的に糖度と酸度のバランスがとれており、例年並みの出来栄えという。出品果実の糖度は平均17・1度(最高18・1度)、クエン酸度は平均1・75%で。糖度、クエン酸度とも、昨年より高かった。

 審査委員長を務めた尾松支場長は講評で「冬季の気温が低かったため、初期生育が遅れたが、2月下旬以降は気温も上がり、開花時期も例年より1週間ほど早くなった。品質的にも申し分なく、出品されたものに大きな差はなかった。特に外観がすぐれている商品が多く、生産技術の向上が図られていると感じた」などと述べた。

 金賞を受賞した柏さんは、同市名瀬知名瀬のビニールハウスで栽培しており、「品質が認められるようになり、口コミなどで全国から問い合わせも増えてきた。金賞を励みに、今後も1個1個丁寧にいいものをつくっていきたい」と話した。

 金城さんは2年連続の銀賞に「金賞を目指し栽培しているので悔しいが、農家がみんなでいいものを作ることで、産地の評価を高めていけたら」と話し、森永さんも「もっといいものをつくれるよう、栽培技術を磨いていきたい」と話した。

 市農林水産課によると、2020年度実績の施設パッションフルーツ栽培農家戸数は59戸、栽培面積7・2㌶、生産量87・7㌧で、いずれも前年度実績を上回っている。