壊れた側溝とのり面 ボランティアで補修工事

補修工事を行った大島池の前で感謝状を受け取る福崎さん(左)と新村校長

手花部小の「大島池」大雨被害
村上建設に感謝状

 奄美市笠利町の手花部小学校(新村博文校長、14人)は10日、同校にある「大島池」の補修工事などをボランティアで行った村上建設㈱(奄美市、村上誠社長)に感謝状を贈った。同日、学校を訪れた村上建設工事主任の福崎貴文さん(45)に、新村校長が手渡した。

 同校によると、校舎横の約20㍍四方の敷地にある大島池は1929年、当時の校長や地域住民らによって整備された。池の中央には奄美大島をかたどった陸地があり、90年以上に渡り、子どもたちの憩いの場として親しまれている。理科や図工などの授業で、題材となる生き物の観察や写生などにも活用してきた。

 ところが、2カ月ほど前に、大雨などの影響で敷地ののり面部分の土砂が高さ約1㍍、幅4㍍ほどに渡り崩れ、側溝部分も一部壊れてしまった。池は市の管理施設でないため、補修工事などが行えず、困っていた新村校長から、手花部集落を通し相談を受けた同建設の福崎さんが社内で協議、無償で補修工事を行うことを快諾した。

 補修工事は6月3、4日の2日間、小型重機なども導入し、4人がかりで行われた。崩落したのり面はコンクリートで補強、壊れた側溝も新たにコンクリートで造った。

 福崎さんは「地域貢献が会社のモットー。砂防ダムの工事で、学校周辺を工事車両が通過するなど迷惑をかけていたので、今回、少しでも役に立つことができてうれしい。子どもたちにはきれいになった池で楽しい思い出をつくってもらいたい」と話し、感謝状を喜んだ。

 新村校長は「あのまま放置していたら、さらに崩落が大きくなり危険な状態だった。素早く対応してもらい本当にありがたい。今後も様々な活動に池を活用していきたい」と感謝した。