アルミ缶が防災グッズへ

防災リュックを手にする松葉会の人々=奄美市名瀬小俣町=

「命の大切さを意識してほしい」小俣町松葉会

 奄美市の小俣町松葉会(柿園徹会長・会員30人)はこのほど、アルミ缶回収の収益から防災グッズ30個を購入。17日、同町集会所で会員に配布した。また同日、奄美署署員と市役所職員を招き交通安全講話、高齢者を狙った詐欺に関する講話を実施。同会会員は防災意識を高めるとともに、改めて「自分の身は自分で守る」と気を引きしめた。

 同会は毎月第一・第三水曜日に町内のアルミ缶を回収し選別する活動を続けている。これまでも、アルミ缶回収で得た収益で集会所の緞帳=どんちょう=を購入し自治会に寄付したり、同会の帽子やベストを作成するなど、積極的に活動を行ってきた。

 今回は、「防災に関するものを」と考え、同市の女性消防団員でもある栄ヤスエ議員に相談。栄議員が実際にサンプルを購入し、同会会員とともに防災グッズの中身を一つひとつ吟味。重さ、持ち運びのしやすさ、保存のしやすさ等を考え、発注したという。

 防災グッズの中身はLEDライト、ポケットラジオ、防煙フード、軍手、ロープ、ホイッスル、水3本、非常食、マスク、レスキューシート、充電器など。名前付きの防災リュックも配布され、柿園会長(81)や防災推進員の昇ミヨ子さん(77)らが全員分の中身を確認しながら防災グッズをリュックに入れていった。リュックを担いだときの重さは約3㌔だという。

 柿園会長は「ワクチン接種やリハビリなどで全員が集まることはできなかったが、みんなの笑顔が見られてうれしい」とにこやかに語った。

 昇さんは「今年は特に防災に力を入れた。いつでも命の大切さを意識してほしい」と会員への思いをにじませた。