奄美市議会6月定例会は17日、一般質問を続開、﨑田信正(共産)、荒田幸司(同)、林山克巳(自民党奄美)、栄ヤスエ(公明)の4議員が登壇した。同市住用町戸玉集落住民らが集落近くで操業する採石業者の操業に反対している問題で、市は河川への赤土流出の原因が、大雨などの自然現象のほか、採石場からの土砂流出で起こっているとの認識を示し、採石業者に流出防止対策を行うよう指導しているとした。また、5月に同集落の代表者と採石業者との話し合いが行われ、業者側が防音壁の設置などの騒音対策を実施、今後、対策の効果などについて検証作業を進めることが報告された。
採石場を巡る問題については﨑田議員が質問。地元住民らが撮影した写真を公開、集落前の海が赤く濁った様子を明らかにした。
市はこれまで、集落住民と業者の間で1996年に締結した公害防止協定に基づく話し合いの場を設けるよう協議を進めてきたが、5月17日、集落前の戸玉港の騒音対策に焦点を絞り、話し合いの場が設けられたことを報告。業者側がコンクリート製の防音壁を設置し、効果の検証を行う意向が示されたという。このほか、採石場に新たな沈砂池の設置が進められていることも明らかにした。
市内上空などで頻繁に確認されている航空機の低空飛行については、荒田議員が質問。市当局は「米軍機と思われる機体については、防衛省九州防衛局から米軍側に苦情などの申し入れを行っている」とし、九州防衛局による現地調査が4月に実施されたことが報告された。
林山議員は、7月の世界自然遺産登録に向けた取り組みについて質問。関連予算として国、県、市で総額約11億1100万円が計上されていることが報告された。内訳は国(環境省)が約8億7千万円、県が約1億円、市が約1億4100万円(前年度繰越分含む)となっている。
栄議員は、経済的な理由などから生理用品が購入できない、いわゆる「生理の貧困」問題について質問。防災備蓄品として市が保管している生理用品の無償配布などを求めたのに対し、市当局は、現在、名瀬総合支所に30パックの生理用品が備蓄されていることを報告、「使用期限前に買い替える際、無償配布も検討したい」などとした。