6月定例県議会開会

「勧告どおり登録期待」
ワクチン高齢者 接種、7月末までに終了へ

 6月定例県議会は18日開会、会期は7月9日までの22日間。初日は塩田康一知事の提案理由説明があり、IUCN(国際自然保護連合)から「登録適当」の勧告があった奄美の世界自然遺産登録について、「登録に向けて大きく前進したものと考えており、勧告どおり登録されることを期待する」と述べ、誘客促進などの取り組みをさらに積極的に進めていくと強調した。

 世界自然遺産登録は最終的には7月16日から開催されるユネスコ世界遺産委員会の審議で決定される。知事は「世界自然遺産登録を見据え、沖縄県との交流の促進や両地域を周遊するルートづくりのほか、屋久島と奄美の二つの世界自然遺産を活用した島旅の魅力発信等による誘客促進などの取り組みをさらに積極的に進めていく」と述べた。

 新型コロナウイルスワクチンの接種については、「本県の医療従事者等への優先接種は、今週中にも完了する見込み」と報告。高齢者への優先接種は「現在、約4割が第1回目の接種を終えている。県では、希望する全ての高齢者が7月末までに接種を終えられるよう、医師会、看護協会等の関係機関の協力を得ながら、必要な医師の派遣体制を整えるとともに、潜在看護師約170人を確保したところ」とし、さらに歯科医師会の協力を得て、ワクチン接種に協力する歯科医師に対して研修を行い、歯科医師約300人を確保するなど、「必要な医療従事者の確保に努め、市町村への派遣ができるよう体制を整えたところ」と説明した。

 農林水産業でもコロナ関係で言及があった。感染症拡大に伴う需要低下等による収入減などの影響を受けた▽花き、茶などの需要喚起▽ポストコロナを前提とした新たな生産・販売体制の構築に向けた先進的な取り組みへの支援▽かごしま材を使用した「かごしま木の家」づくりへの支援▽県産水産物の冷凍保管料等の支援―などに取り組む。

 補正予算に関する説明もあった。補正予算の総額は一般会計で60億2800万円で、これにより補正後の一般会計予算額は8709億3200万円。大規模接種会場の設置や医師等の派遣に要する経費のほか、新型コロナ感染症の影響を受けている事業者の事業継続を図るための支援金の給付や宿泊業、農林水産業、公共交通機関に対する支援に要する経費などを計上している。

 23日に代表質問、25日、28~30日に一般質問がある。