減速運転でクロウサギ守ろう

ナイトキャンペーンでアマミノクロウサギの交通事故防止を呼び掛けた関係者=26日午後7時すぎ、徳之島町母間

 

交通死多発区間でナイトキャンペーン
徳之島

 

 【徳之島】環境省徳之島管理官事務所や徳之島署、町行政、同島自然保護協議会などは25日夜、アマミノクロウサギの死亡個体の発見が相次いだ徳之島町母間の農道「第二麦田橋」など2カ所で、ロードキル(交通事故死)防止のナイトキャンペーンを展開。ドライバーにチラシやステッカーを配って減速運転、早めのライト点灯、動物に注意した走行―などを呼び掛けた。

 環境省同事務所によると、同島では今年、交通事故死とみられるクロウサギの死亡個体を計8件(匹)確認。中山間地域を走る「第二麦田橋」の区間はこれまで確認例がなかったが、5月だけで一気に3件が急発生。森林域をぬって走り毎年死亡個体の確認が絶えない県道松原轟木線(同町轟木地内)は2件。両区間だけで計5件。同事務所などは第二麦田橋についても注意喚起の看板とともに、モニタリングカメラを設置して監視を続けている。

 ナイトキャンペーンは、「第二麦田橋」と県道松原轟木線の両区間に関係者12人ずつ計24人が参加して午後7時~同9時にかけてあった。同時間帯の通行車両のドライバーたちに、同区間エリアでの減速(時速20㌔以下推奨)など協力を呼び掛けた。

 同所の福井俊介国立公園管理官は「事故多発区間でのキャンペーンだったが、生息域の拡大傾向が続いており、島内どこの道路でも起きる可能性があると認識して欲しい」。第二麦田橋エリアの監視・観察も長年続けている県希少野生生物保護推進員の池村茂さん(同町母間)は「ネコ対策でクロウサギが増加傾向にある中で交通事故死も多発。世界自然遺産登録勧告(IUCN)もロードキル対策が宿題、繰り返し呼び掛けていく必要がある」と話していた。