ペットは最後まで正しく飼って

馬場さんの呼びかけに手を挙げる子どもたち

仲良く生きられる奄美めざそう
龍郷小3・4年、動物愛護教室

 県大島支庁名瀬保健所は28日、龍郷町立龍郷小学校(末松雅之校長・児童24人)で動物愛護教室を開いた。講師は同所衛生・環境室環境係長の吉留雅仁さんと衛生薬務係長の馬場希さんの二人が務め、世界自然遺産も絡めて、ペットは最後まで正しく飼うよう呼び掛けた。

 目的は▽動物愛護思想の普及啓発▽動物を通して命の大切さを考える▽ペットの適正飼養の普及啓発▽野生動物と飼育動物の関係を考える―の四つ。

 参加したのは3・4年生7人。まず吉留さんが日本で五つめの世界自然遺産になる見込みであること、アマミノクロウサギやルリカケスなど固有で希少な動植物がすんでいることを説明。動物・植物の豊かなつながりがあり、山の中でバランスがとれている状態にネコやイヌなどの外来種が入ってくるとバランスが崩れ、希少動物を襲うなどが今、山の中で起こっていると説明。「なぜか? 人間が正しい飼い方をしなかったから。山の中に入るネコたちを増やさないために正しく飼い、それが奄美の自然を守ることにつながる」とした。

 馬場さんは、動物を飼うことは簡単なことではなく、最後まで家族みんなで大切に飼う必要があると話し、「人とペット、野生動物が一緒に仲良く生きられる奄美をめざそう」と呼び掛けた。ネコは繁殖力がとても強く、「絶対に捨てない。最後まで面倒を見る」「ノラネコに餌をあげない」こと、ノラネコが増えないように(不妊)手術をしていることも説明。正しく飼うために、▽飼っているイヌやネコの情報を登録する▽首輪に名札をつける▽イヌはつないで飼う▽ネコは室内で飼う―などのルールを伝えた。

 参加していた浜田龍皇=りおう=くん(3年)は「奄美にたくさんいるネコやイヌが外来種だと初めて知ってびっくりした」。内野灯=あかり=さん(4年)は「世界自然遺産について、どんなところが登録されているのかわかってよかった」と笑顔で話した。

 吉留さんは「今回は今年度初めての教室で、これから他校でもやっていく予定。この教室で子どもたちが少しでも奄美の自然に誇りを持ちながら、日常生活でペットを正しく飼っていければ、と思う。これからもいろいろな形で普及啓発をしていきたい」と語った。