追い込み漁体験

追い込み漁で網に掛かった魚を確認する児童生徒たち

芦花部小中 約100匹の魚掛かる
地域と交流 伝統漁法に親しむ

 奄美市名瀬の芦花部小中学校(今村敏照校長、児童生徒39人)は27日、芦花部海岸で伝統漁法の追い込み漁体験を行った。同校児童生徒や地域住民ら約80人が参加。天候に恵まれた同日は、計100匹の魚が網に掛かり大漁となった。午前中は魚のウロコ取り体験も実施し、児童生徒らは食育、地域の伝統に親しんだ。

 追い込み漁は同校の伝統行事として、毎年地域住民やの漁師の協力のもと、体験活動を行っている。例年他校からの「ふるさと留学生」を招いて開催しているが、新型コロナウイルスの影響で昨年度は中止、今年は校区内に限定して行った。

 同日は、午前中にウロコ取りしてさばいた魚をから揚げにして食べたあと、海岸から50㍍ほど先に掛けた網に向かって、子どもたちがばしゃばしゃと音をたてながら魚を追い込んだ。網は船で回収し、海岸で網をほどいた。子どもたちはモンガラハギやオジサンなど、掛かった魚に歓声をあげながら確認した。

 今村校長は「今年は大漁と言っていいのでは。こうして地域の方と交流する機会としても、子どもたちにとっていい経験になる」とほっとした表情。PTA会長の山田洋一さん(39)は「追い込み漁やウロコ取りを通して、魚が食卓に上がる過程を知ってもらえたら」と語っていた。

 同校小学5年生の畑田茜さんは「追い込み漁は2回目。前回は2匹しか掛からなかったからうれしかった。みんなで一斉に追い込むところが楽しい」と満面の笑みで話した。