災害ボランティアセンターの運営について考える参加者ら=和泊町=
【沖永良部】災害ボランティアセンター職員研修会(和泊町社会福祉協議会主催)が26日、同町えらぶ長浜館であった。通所介護事業所や保育園などで勤務する社協職員50人が参加。いつ発生するかわからない大規模災害に備え、災害ボランティアセンター(以下、災害VC)の役割や必要性を考えた。
災害VCは、災害発生時に被災地の情報収集やボランティアの受け入れ、支援活動の指示・調整などの役割を担う。近年、日本各地で大規模災害が発生するなか、災害VCの重要性が高まっている。
研修会は、社協の全職員を対象に26、27日の2日間の日程で実施。2日目も同じ内容で45人が受講した。
県ボランティアセンターの辻健一所長が「社協職員として知っていてほしい災害VCの役割等について」をテーマに講演。「災害が発生すると、ボランティアが押し寄せ、その対応が中心になってしまうことがある。災害VCは被災者の生活の再建が目的であることを忘れないでほしい」と呼び掛けた。
また、コロナ禍で発生した昨年の熊本豪雨時の事例を紹介。「感染症を持ち込んだり、持ち帰ったりしないために、ボランティアの募集範囲を絞るという取り組みが行われた」と述べた。
演習では、町で大規模災害が発生したと想定し、既存事業の中で継続していく業務や災害VCに出せる人員などを考えた。各事業所で分かれて話し合った結果、通所介護事業所のグループは「排せつと入浴、食事、バイタルチェックの業務は続けないといけない」「送迎などの業務もやっていく必要が出てくるかも」などの意見が出た。
参加した同町社協の長野亜美さん(21)は「大きな災害の経験がないので、日頃から災害時の対応を考えながら生活していきたい」と話した。