朝山市長と懇談する芝田専務執行役員(右)と藤﨑支店長
ANAホールディングス㈱代表取締役専務執行役員の芝田浩二氏(63)と全日本空輸㈱(ANA)鹿児島支店の藤﨑美保支店長(53)が9日、奄美市役所を表敬訪問、朝山毅市長らと懇談した。今月下旬にも世界自然遺産登録が見込まれる奄美大島の観光振興などについて意見交換、新型コロナウイルス感染症の収束後を見据えた、観光商品の開発やANAグループ傘下のLCC(格安航空会社)「ピーチアビエーション」を活用した地域振興などについて、協力していくことを確認した。
芝田氏は瀬戸内町・加計呂麻島の出身。1982年同社に入社、今年4月、代表取締役専務執行役員に就任した。藤﨑支店長は、鹿児島市出身。約35年の東京勤務を経て、今年4月、同支店長に就任、同月、新設されたANAあきんど㈱鹿児島支店長も兼務している。
2人は就任あいさつも兼ね、8日に奄美大島入り、島内の関連企業や観光団体、奄美新聞社なども訪問した。
市役所で朝山市長と懇談した両氏は、同グループが取り組むふるさと納税応援サイトへの参加などを要請。新設されたANAあきんどの事業内容などを説明した。
ふるさと納税は、同社が運営するポータルサイトを利用しふるさと納税を行うと、返礼品のほか同社のマイルを貯めることができる。北海道から沖縄県まで多くの自治体が加入しており、県内では15市町が参加。奄美群島からも瀬戸内町と徳之島町が参加している。
また、グループ傘下のピーチアビエーションが運航する東京(成田)―奄美、大阪(関西)―奄美路線について、芝田氏は「貨物部門をもっと有効活用できないか検討している。スモモやパッションフルーツなど奄美の魅力ある特産品を首都圏や関西に送り込むことで、奄美の産業振興に貢献できれば」などと提案。「世界自然遺産登録の機会を生かし、地元と連携しながら奄美のためにできることを考えていきたい」などと話し、藤﨑支店長も「奄美は魅力的な地域。地元と利用客、企業の3者それぞれが得をするような事業を、奄美の人たちと一緒に作っていきたい」と抱負を語った。
朝山市長は「観光を中心とした地域振興を図る上で、離島と本土を結ぶ航空会社との連携は欠かせない。世界自然遺産登録後の地域活性化に向け、ぜひ力を貸していただきたい」などと協力を求めた。