奄美市に150年前の海図贈呈

贈られた海図のパネルを手にする朝山市長(中央)と羽山本部長(左)、矢野部長

第十管区海上保安本部 奄美大島全景と名瀬港

 船舶の安全航海などに欠かせない「海図」が作成されるようになってから150年を記念し、第十管区海上保安本部(鹿児島市)は14日、奄美市に明治初期に初めて製作された奄美大島と名瀬港の海図(レプリカ)と現在の海図をセットにしたパネル2点を贈った。同市は今後、庁舎内などでの掲示を検討することにしている。

 同本部の羽山登志哉本部長と奄美海上保安部の矢野秀樹部長が同日、奄美市役所を訪れ、朝山毅市長に手渡した。

 海上保安庁によると、1871年(明治4年)、国内に初めて近代的な海洋調査機関が創設されてから、今年で150周年を迎えることから、海上保安庁の業務を多くの人に知ってもらおうと啓発事業の一環として、海図パネルを製作した。

 名瀬港の海図は1875年(明治8年)につくられたもので、当時、測量を実施した初代水路局長の柳楢悦(やなぎならよし)の名前などが記載されている。奄美大島全景の海図は翌年の明治9年に作られた。当時の海図には海からの見え方を表した「対景図」が記載されるなど、現在の海図にない特徴がある。

 羽山本部長は「海上での業務のため、普段どのような活動をしているのか、皆さんに知ってもらう機会が少ない。啓発活動などを通し、海上保安庁の業務を広く市民に知ってもらう機会になれば」と話し、朝山市長は「外海離島の奄美にとって、海保の皆さんはなくてはならない存在。自然災害や海難救助など様々な場面で島民の安全を守っていただきありがたい」などと感謝した。