台風影響長期化、備蓄野菜底をつく

台風に備え満杯に仕入れた野菜も底をつき、がらんとなった冷蔵庫

名瀬中央青果 5日連続で島外入荷なし
マンゴー出荷できず半値以下に

 大型で強い台風6号の影響で、鹿児島と奄美群島を結ぶ船便の欠航が続いている。奄美群島のスーパーなどでは生鮮食品を中心に品薄となっているが、奄美市の名瀬中央青果㈱では23日、5日連続で島外からの移入品の入荷がなく、台風接近を見越して多めに仕入れていた野菜類もほとんど底をついた。また、マンゴーやパッションなどは島外出荷ができず、取引価格も台風接近前の半値以下となるなど、大きな打撃を受けている。

 名瀬中央青果によると、台風の影響で19日以降、島外からの入荷がない状況が続いているという。欠航を見越し、同青果では18日着の船便で、4日分約3.6トンの野菜類を仕入れ、市場内にある冷蔵庫に保管。19日から市場での取引を行っているが、入荷の目途が立たないことから、当初予定していた一日の取り扱い量を、半分程度に抑えるなど対応を余儀なくされている。

 台風に備え蓄えていた生鮮野菜で満杯だった冷蔵庫は現在、わずかな野菜が残るだけとなっており、当初125ケース(1ケース約10玉)を仕入れたキャベツも残り10ケース程度で、その他の野菜も残りわずか。担当者は「当初、23日には入荷が再開できると考えていたが、台風の進路が大きく変わってしまった。26日に何とか船便が届くことを願うしかない」と話す。

 入荷がなく品薄となっているため取引価格は高騰、台風の影響が出始める前の17日に1ケース1500円だったキャベツは23日、2800円に、レタスも1ケース(12玉)2300円が4000円となるなど2倍前後の値を付けている。

 地場産野菜も影響を受け始め、700~800円だったネギ(1キロ)が1700~2千円に、ニラ(同)も500円が千円で取引された。

 一方で、主に島外に出荷されるマンゴーやパッションフルーツ、バナナなどの果物は、台風の影響で出荷できず、値崩れを起こしている。同青果によると、17日に1キロ4000円で取引されていたマンゴーは23日1643円まで下落。担当者は「マンゴーは温度管理が大変で鮮度を保つのが難しい。出荷が滞ると、すぐに取引価格に影響が出てしまう」と話した。

 同青果によると、早くても26日着の船便まで入荷の目途はなく、今後の台風の進路によってはさらに遅れる可能性もあるという。担当者は「欠航が続けば、来週以降、取引できる島外野菜は何もなくなってしまう。島内の農家への影響もさらに大きくなる」と頭を抱えている。