最盛期「完熟マンゴー」滞貨も

台風6号による交通マヒの長期化で滞貨した「完熟マンゴー」を案じる作山組合長=23日、天城町

台風6号交通マヒ、ロス増を懸念 徳之島

 

 【徳之島】停滞状態にある台風6号の影響で本土と奄美群島を結ぶ空と海の便の欠航が長期化。旅客の往来、物流など生活路線の交通マヒが続く中、徳之島では、お中元贈答用など収穫最盛期に入った「完熟マンゴー」の本土発送も停止。規格外(ロス)化につながる滞貨を生じるなど影響も出ている。

 大型で強い台風6号(23日現在)の影響による強風と大しけの影響で徳之島地区でも海の便が19日、空の便も20日以降、全便欠航が続いている。鹿児島や奄美大島、沖永良部島経由那覇を含む空の便はここ4日間、徳之島空港発の計30便(臨時便含む)のみで約1775人(予約分)の足に影響が出た。24日も全便欠航が決まっている。

 「樹上での完熟収穫マンゴーのため、冷蔵保存で最上の状態で品質を保持できるのは約5日間。それ以上だと品質が低下、約10%のロス(出荷規格外品)につながる」と、焦燥感を隠せないのは天城町熱帯果樹生産組合の作山和久組合長(58)だ。

 天城町は同品目の試験栽培導入を含め今年で約36年、鹿児島県内の草分け的産地。それを担った同生産組合は今月7日に今期産の出発式を実施。「大玉傾向の豊作年」に恵まれ、生産組合(組合員34戸、約3・9ヘクタール)の収穫見込みは約18㌧、約5400万円。明るい産地環境の中に、集出荷も日量約40キロ~50キロと本格化しつつあった中での“離島ハンデ”の再来となった。

 作山組合長によると台風、交通マヒによる受注滞貨量はすでに約600キロという。生産組合事務所の冷蔵室では収容しきれず他団体の善意により2か所で保管中。出荷は、輸送コスト面から海上が主だが、ダイヤ復旧の早い航空便については「公的な補助制度を充実させて欲しい」とも訴えていた。