世界自然遺産育む

豪快にジャンプにも挑戦。黄色い歓声が森林にこだました=7月31日、天城町の「三京川」上流


「三京川」渓流の散策を楽しむ参加者たち

「三京川」清流を満喫
天城町西阿木名地区推進協「ふるさと学寮」

 【徳之島】天城町西阿木名地区推進協議会(仲恵会長)主催の夏休み恒例「ふるさと学寮」が31日、西阿木名小中学校(田川俊一校長、児童生徒数26人)や同小三京分校(児童数4人)などを対象にあった。世界自然遺産登録地域にも連なる「三京林道」散策を経て、「三京川」での川遊びなど自然体験交流に、黄色い歓声がこだました。

 西阿木名地区推進協は、同町教育文化の町の地区別推進母体の一つ。「ふるさと学寮」は、古き良きふるさとの遊びや生活を味わい相互の絆を深めるのが目的。西阿木名小中施設で1泊交流するキャンプ形式で始まり、昨年はコロナ禍で中止。今年は三京分校を初会場に午後2時~同8時すぎまでの時短開催に。

 児童生徒や幼稚園児ら約30人に教職員や保護者、地区住民ボランティアなど合わせ約65人が参加。同分校での開会式で仲会長は子どもたちに「私たちの地域には、アマミノクロウサギなどが生息。世界自然遺産に登録され世界に認められたことは素晴らしい。自然を楽しみながら感謝を忘れず、けがをしないで楽しもう」と呼びかけた。

 案内役は三京集落の豊村祐一区長(65)が担当。「三京林道」(奄美群島国立公園内)をてくてくと約10分間北上、イタジイやオキナワウラジロガシなど常緑高木に抱かれた徳之島ダム上流の「三京川」へ。涼やかな清流に浸かっての水遊びや、水面から高さ約3㍍の砂防ダム堤からの豪快なジャンプなどを満喫。絶叫調の歓声が森林を駆け抜けた。

 西阿木名小5年の重原清春くん(10)は「一番の楽しみは飛び込み。こわくはない。もう10回ぐらいは飛んだ」。同小1年の足田亜実ちゃん(6)も「海よりも川あそびの方が楽しい」と声を弾ませていた。

 歓喜に満ちた子どもたちの表情に豊村区長は「学校外の自然の中でしか体感できないものがある。地元の西阿木名地区以外にも体験の機会が広がって欲しい」と目を細めた。

 三京分校ではこの後、青年団や住民ボランティア有志たちが再現した五右衛門ぶろを入浴体験して体を温めた。飯ごうで炊いたオニギリなど夕食会、花火遊びでも交流を深めた。