ボタンウキクサの駆除作業を行う参加者たち
ボタンウキクサ
参加者全員で記念写真
NPO法人すみようヤムラランド(満田英和理事長)は、環境省奄美野生生物保護センター・奄美市住用総合支所・市集落・市小中学校の協力を得て1日、住用町市集落内脇田の水路で特定外来生物「ボタンウキクサ」の駆除作業を行った。市小中学校の児童・生徒を含めた地域住民ら約30人が参加し、自然環境の保全に汗を流した。
同法人は環境保全の一環として、駆除活動を企画。冒頭に同省の池上温人自然保護官補佐から特定外来生物「ボタンウキクサ」の特徴や駆除方法について説明があった。ボタンウキクサは奄美大島の6か所で確認されているという。種から芽を出すだけでなく、分裂して横に根を伸ばすため、ものすごいスピードで増え、農作物にも害を及ぼす。回収したものは拡散しないよう徹底して処分する必要がある。水路に入ってボタンウキクサをとる、陸に引き上げて水を切って袋に入れる、など分担し、最終的に45リットルのポリ袋30袋分を回収、次の日に名瀬クリーンセンターに持ち込んで処分することに。
環境省によると、ボタンウキクサ(別名ウォーターレタス)はアフリカ原産のサトイモ科の浮遊性植物で、水面に浮かんでいる。葉は白緑色、表面にビロード状の柔らかい毛が一面に生え、よく水を弾く。観賞用として導入されたものが、野生化した。繁殖力が非常に強く、水面を覆いつくしてしまうことで他の植物の光合成を妨げ、生育できなくするという。そのため、生態系などに被害を及ぼす種として外来生物法により「特定外来生物」に指定し、栽培したり野外に放したりすることを厳しく禁じている。
参加していた市小1年の中間蒼空=そら=くんは、「初めてウォーターレタスを見た。とるのが難しかったので、力を入れてやった。みんなで力を合わせてやったらあっという間にどんどん減っていった。これからもがんばりたい」と笑顔を見せた。
満田理事長は「この地域からボタンウキクサを根絶しようと思っているので、見回りしながら今後も駆除を続けていく。地域住民とともに、世界自然遺産にふさわしい地域にしていきたい」と話した。
同省の池上さんは「ボタンウキクサは繁殖力がものすごいので、計画性をもって継続して駆除していかないといけない。今後もすみようヤムラランドや奄美市、地域住民と協力し、定期的にチェックしながら根絶をめざしていきたい」と語った。