大和村教諭ら村内史跡巡り

大和浜集落のオキナワウラジロガシ林周辺では、並ぶサンゴの石垣を前に名家の歴史なども説明した

足元理解深め、指導力アップ
文化協会長・中山さんがガイド

 大和村教育委員会は2日、村内の教職員を対象にした研修会「教職員村内巡り」を開いた。同村文化財保護審議員で同村文化協会会長の中山昭二さんがガイドを務め、村内に点在する史跡や文化財を見学。一行は、児童に古里への誇りを高めてもらおうと集落を巡り、地域の歴史や自然などの特色に理解を深めた。

 研修会は、村内小学校が2カ年計画で取り組む郷土教育「大和の名を誇りに思う教育」の一環で、教員自身が足元を深く学ぶことで、指導力を高めてもらおうと企画。新任教諭11人を含む33人が参加し、バス2台で集落の史跡などを巡った。

 一行は、国直集落を出発点にまずは宮古崎展望台を視察した。中山さんは湾を望みながら明治などの時代考証にふれ、過去には豊富にシビ(タカラガイ)が取れ、都との交易も盛んだったことなどを紹介。「都=みやこ=の船がよく入ったため、宮古崎になったのではないか」など、地名の由来なども丁寧に紐解いて説明した。

 大和浜集落のオキナワウラジロガシ林周辺では、国指定天然記念物の指定を受けた理由、麓に並ぶサンゴの石垣と地元名家の関わりなどを解説した。戸円集落の国立公園・ヒエン浜では、10万年以上の時を経て形成されるビーチロックを指差しながら「昔の姿を残した海岸だ」など、連綿と受け継ぐ自然の希少さも訴えた。

 一行は時折雨の降る中、解説に耳を傾け、写真を撮ったりメモを取ったりと研さん。約3時間、今里集落までのコースを巡った。

 今年度、瀬戸内町の篠川小から今里小に赴任した川添奈里教諭は「初めて見たことや聞いたことも多くて驚いた。ただ教えるだけではなく、歴史があって今があること、人や集落が受け継ぎ守ってきたことなども含めて児童たちには伝えていきたい」と話した。