奄美・沖縄缶、登録後反響

左からキリンビールの横松支店長とデザイン担当の上坂元さん、朝山市長、東美佐夫副市長=3日、奄美市役所=

奄美・沖縄の動植物がデザインされたビール缶

奄美市表敬訪問 「今後も環境保全取り組み」 キリンビール

 今年も奄美・沖縄の動植物があしらわれた「キリン一番搾り生ビール」が発売された。その報告のため、キリンビール㈱九州統括本部九州支社鹿児島支店(横松修支店長)は3日、奄美市役所を表敬訪問した。横松支店長によると、先月末の世界自然遺産登録決定以降、消費者からかつてないほど反響があるといい、「今後も環境保全の取り組みを行っていく」と気を引き締めた。

 同社が5年間続けている奄美や沖縄に関連した環境保全キャンペーンの一環。毎年、デザインは鹿児島県内のクリエイターに依頼しており、昨年は奄美市在住のイラストレーターが担当した。

 缶のデザインには、希少種のアマミノクロウサギやヤンバルクイナ、奄美・沖縄を代表する植物のガジュマルやアダンが描かれている。この日はデザインを担当した上坂元均さん(34)=鹿児島市=も同席し「イラストは、リアルとデフォルメの中間を意識して描いた。線のタッチに、島特有の穏やかな空気感を表現した」などとデザインに込めた思いを語った。

 商品名は「キリン一番搾り生ビール 奄美・沖縄世界自然遺産応援デザインパック」。7月13日から九州・沖縄全域で限定発売している。容量は350㍉㍑で、今年は約48万本生産したという。売り上げは、1本につき1円が環境保全のため自治体に寄付される。奄美市によると、寄付金は奄美群島広域事務組合の世界自然遺産登録推進基金を通じて、奄美群島こども環境学習事業費に充てられるという。

 朝山毅市長は「5年間に渡りご尽力いただいたみなさまの好意を受け止めて、豊かな自然を守っていきたい。上坂元さんには奄美のイメージを客観的に捉えていただいた」と感謝の言葉を述べた。