「今のままの姿維持して」「まず知ること大切」
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の世界自然遺産登録を、地元住民や出身者、一般の人たちはどう感じたのか、これからどうなったらいいと思っているのか、１００人インタビューの最終回。なんと１０６人もの方々にご協力いただけました。ありがとうございました！ ８１人目からスタート！
（81）徳久正さん（６７・弁護士）＝神戸市（徳之島町出身）＝何と素晴らしいことか。登録を機に皆に豊かな自然を守ろうとする機運が高まり、島々の発展につながっていくことを期待する。
（82）６０代女性（主婦）＝瀬戸内町阿木名＝いいことだとは思うけど、開発はしてほしくない。自然を子や孫に残していかないといけないから、守り続けていかんばね。
（83）秋田将志さん（３８・会社員）＝神奈川県（奄美２世）＝世界に認められるのは誇らしいが、訪れる人が増えることが気掛かり。素晴らしい自然をしっかりと守ってほしい。
（84）原稔二さん（６４・明生東京後援会会長、会社経営）＝東京都（瀬戸内町出身）＝登録が地元の人々へ等しく恩恵をもたらすことを祈念する。自然本来の姿を維持するための保護管理が必要。
（85）榮百々代さん（唄者）＝大阪府（奄美市名瀬出身）＝世界中に奄美をアピールする、絶好のチャンス。しっかりルールを守りながら、喜びを共有したい。
（86）松元賢作さん（３２・天城町連合青年団長、同町農業青年クラブ会長）＝同町岡前＝世界中に徳之島が認識され、若者の定着につながると期待。世界自然遺産の島ブランドの農産物も世界にＰＲ、活性化につなげて欲しい。
（87）山下勝則さん（６８）＝沖縄県（奄美市笠利町出身）＝登録されることはいいことよ。チャンスだから、それを活用して産業の活性化を図らないといけない。移住者は、登録地の文化や風習をつぶさないように、くれぐれもお願いしたい。
（88）白久利行さん（５２・清掃業）＝宇検村須古＝登録と聞いてびっくりした。奄美のきれいな海がずっと守られてほしい。
（89）平田絢乃さん（３６・弁護士事務所事務員）＝神戸市・徳之島町２世＝両親が育った故郷が、世界的に知られるのは誇らしい。マナーを守ってきれいな自然を残してほしい。
（90）２０代男性（会社員）＝龍郷町＝うれしい半面、個人的には、ルールなどができて住みづらくなるのではないかと。
（91）７０代女性（主婦）＝千葉県（奄美市名瀬出身）＝コロナ禍の五輪のように、手放しでは喜べないが、とてもうれしい。周りからも声を掛けてもらえ、奄美が知られるのは誇りだ。
（92）中島育斗さん（１８・高校生）＝天城町＝島の活性化につながる期待の半面、観光客増で自然破壊につながらないか心配。私たち島民一人一人がごみ問題なども真剣に考えるべき。
（93）張郁夫さん（６３・会社員）＝東京都（奄美市出身）＝何が自然遺産なのか、メリハリをつけないと来島客は奄美全体と勘違いする。松の木の自然淘汰。千年松はそのダイナミックなエポック。植物の遷移を知った。
（94）佐藤文子さん（８９・主婦）＝東京都（龍郷町出身）＝昔から世界遺産にふさわしいと思い、登録を願っていた。大歓喜を、自然や文化を大切にする原動力にして、みんなでがんばろう。
（95）富田椋介さん（２６・徳之島町青年連絡協議会会長）＝同町亀津＝徳之島の自然が世界に認められたのは、先人たちのおかげ。その宝を１００年後、２００年後に継ぐのは私たちの役目。群島民一丸で守りたい。
（96）３０代女性（会社員）＝奄美市名瀬＝このコロナ禍の時期だから、周りに年配の人が多くて感染が増えないか心配。仕事は旅行業なので、観光客が増えるのはいいことなのだけど。
（97）岩淵輝美さん（５９・会社員）＝東京都（大和村出身）＝多くの人に奄美が知れ渡り、登録はとても喜ばしい。でも、故郷には今のままの姿を維持してもらいたい。
（98）前田龍也さん（７０・自営業）＝瀬戸内町加計呂麻島＝いいんじゃないかな。自然も守っていけるし。世界中から観光客がきて産業の発展につながる。でも、島外者が、島内の人の生活を脅かすようなことがあってはいけない。
（99）大郷哲也さん（６５・警備員）＝埼玉県（奄美市名瀬出身）＝広域で国の補助事業を導入するために、「世界自然遺産登録に向けて」という冠をつけ、すぐに実現しそうな勢いだったが…あれから１０年余、本当に登録されるのですね！ これを機に、豊かな自然保護を担保し、観光をメインとした奄美の振興が図られることを期待する。
（100）藤浦智恵子さん（８０・主婦）＝東京都＝いろんな人が来るようになって、島が発展したらいいと思う。元気だったら行ってみたい。アマミノクロウサギやヤンバルクイナを見てみたい。
（101）村上律子さん（５９・会社員）＝東京都（奄美市名瀬出身）＝登録は大歓迎。多くの人に訪れてほしいが、それで自然が壊れるのも困る。「来てほしいけど、ほしくない」。ちょっと複雑な気持ち。
（102）石岡真夏さん（３０代・団体職員）＝奄美市名瀬＝すごくうれしい。島民にプラスの形でいいものになっていってほしい。島のいいところだけでなく、シマ口や人口減少に取り組む姿も知ってもらいたい。
（103）武田久夫さん（７５・天城町当部集落区長）＝同町当部＝当部は、アマミノクロウサギ観察など大自然が特に身近に感じられる地。その環境保全に努力し、過疎・高齢集落の活性化につなげたい。
（104）重田茂応さん（４２・自由業）＝大和村名音＝世界自然遺産登録おめでとう。奄美に観光客が増え、ごみ問題が懸念されるが、マナーを守って奄美を楽しんでもらいたい。
（105）椛山陽菜詩さん（１５・中学生）＝伊仙町＝正直言って、大人のポイ捨てごみが目立つ中で驚いた。クロウサギなど島の貴重な大自然を守り、クリーン作戦にも積極的に参加したい。
（106）宮原喬さん（３１・会社員）＝奄美市名瀬＝ドキドキとわくわくが半分。世界に認められるうれしさと、自然を守っていけるか心配な部分もある。守るためには、まず知ることが大切だと思う。