奄美・やんばる広域圏協、お祝エール交換

沖縄県の渡具知名護市長、知花国頭村長とリモートで交流した朝山市長

世界自然登録決定受け 3年ぶり、リモートで交流

 奄美・やんばる広域圏交流推進協議会(会長=北部広域市町村圏事務組合理事長・渡具知武豊名護市長)の「総会議案決議報告」と「世界自然遺産登録を受けてのお祝交換」が6日、リモート会議で行われた。奄美群島広域事務組合管理者の朝山毅奄美市長らが参加、同協議会の2021年度事業計画など5件の書面決議の承認を報告したほか、「奄美大島・徳之島・沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録を互いに祝うとともに、両地域の振興にむけ連携協力していくことを確認した。

 同協議会は古くから歴史的、地理的につながりの深い奄美とやんばるの県境を越えた産業経済、文化面などの交流を推進する組織として、1999年に発足。物産展や音楽交流祭など様々な形の交流が毎年行われてきた。しかし、ここ2年間は悪天候や新型コロナウイルスの影響により交流できずにいた。

 このため今回、世界自然遺産登録の決定を受け、お互いに祝福のエールを交換することで、協議会の交流と情報発信を行うことを目的にリモート会議を初開催。奄美市役所と沖縄県の北部広域市町村圏事務組合をインターネットで結び、3年ぶりに両地域のトップらが交流した。

 リモート会議には、沖縄県名護市の渡具知市長と知花靖・国頭村長、朝山市長が参加。同協議会の事業計画や予算、役員改選などの書面決議について、奄美とやんばる各地域の広域事務組合の構成市町村で承認が得られたことを報告した。

 お祝いの交換では、渡具知市長が「コロナ禍の中の朗報は関係者を勇気づけ、大きな希望となった。世界の財産となった両地域の魅力を守っていくためにも、交流をより一層発展させ、両地域の魅力をこれまで以上に世界に発信できるよう協力をお願いしたい」と述べたほか、知花村長が「互いの共通課題として、野生生物のロードキル問題や外来種対策、ノネコ問題などがある。オーバーツーリズムなどの課題に対しても情報交換しながら取り組んでいきたい。自然環境の保全と利活用による観光振興など持続可能な発展に向け、両地域の連携を強化できれば」などと語った。

 これに対し、朝山市長も「4島が世界の宝として評価されたことは大変喜ばしいこと。先人が残した世界の宝を後世につなげていくため協力していきたい。近いうちに、ぜひ対面による交流を深め、両地域の発展、振興に努めたい」などと応じた。