「漫画で奄美を応援したい」

奄美への思いなどを語る、宮川たま子さん。従妹は屋仁川でスナックを切り盛りしているという=品川区の「みしょーれ奄美」で

奄美2世の女性芸人
漫画の原作で活躍中

 【東京】世界自然遺産登録の喜びにわく、奄美大島、徳之島。そんな折、奄美2世の女性芸人が、漫画で奄美を応援しようと希望を抱いている。仕事の傍ら、第二の故郷に思いをはせる彼女のイメージに迫った。

 宮川大助・花子さんの弟子、宮川たま子さんと会ったのは、JR五反田駅から徒歩3分の居酒屋「みしょーれ奄美」(原田尚樹チーフプロデューサー)。珍しい黒糖焼酎をそろえ、創作料理で奄美の素材を味わえる。

 たま子さんは、ピン芸人(吉本興業所属)として活躍する一方で、漫画原作者の顔も持ち合わせている。「宇宙戦艦ヤマト」「キン肉マン」などの作画・監督で知られる、しらとたけしさんと共に琉球新報のwebマガジン「東京ざっ荘物語」など好評連載中だ。

 沖縄県浦添市出身のたま子さんだが、母親(名嘉伸子さん)は奄美市名瀬伊津部町の出身で実家は鮮魚店。「沖縄とは違う自然や人に、懐かしさを感じます。第二の故郷ですね」と奄美に思いをはせる。20回以上奄美を訪れている彼女は、世界自然遺産に登録された“故郷”を「後世へ残すべきかけがえのない自然遺産、後世に残してはいけない温暖化」ととらえ、漫画で表現したいと希望している。

 自然森林を舞台に、アマミノクロウサギやイリオモテヤマネコなどの希少動物や美しい植物を主人公に、物語が展開していくという。各自然保護団体の資料を基に、動物たちの喜怒哀楽なども表現したいそうだ。

 「魚目線で環境問題を伝えるなどもしたい。そのためにも、奄美に行って調べたいですね。漫画なら子どもからお年寄りまで、幅広く伝えられるはず」と目を輝かせる。舞台から観
客席を爆笑で包む吉本芸人は、別の舞台へとイメージをさらに膨らませている。

 ※取材は緊急事態宣言前に行いました。