「沖永良部民謡集」復刻版CD完成

和泊町の山内さんが自主制作
50年前の音源託される 「島の民謡残したい」

 【沖永良部】50年前に発売されたレコード「沖永良部民謡集」の復刻版CDが完成した。音源となるマスターテープを譲り受けた和泊町瀬名在住の山内誠一郎さん(69)が自主制作した。11日に販売開始。2枚組で全23曲入り、価格は3300円(税込み)。

 マスターテープの所有者は、1954年11月から71年9月まで知名町で「知名有線放送所」を運営していた大村隆二さん。島の宝を後世に残したいと、放送所を運営する傍ら島内の21集落を訪ねて民謡を録音、71年にレコード「沖永良部民謡集」を発売した。

 大村さんは今年4月に89歳で亡くなったが、民謡の記録と継承への強い思いが込められた大事なテープを親交のあった山内さんに託した。

 テープはオープンリール方式。専用のデッキで再生してみると、50年以上前に収録された音が鮮明に聴けた。多くの島民に愛される「永良部ゆりの花」「サイサイ節」のほか、現在はほとんど歌われていない「畑ぬ打豆」「喜美留なんじ畑」など、レコード版と同じ23曲をCDに収めた。

 若い頃、音声の録音編集作業を大村さんから教わったという山内さんは「貴重な音源を譲ってくれたことに感謝。大村さんの遺志を受け継いでいきたい」と話した。

 問い合わせは、山内さんまで。電話090―2505―4172。