県内感染、過去最多108人

新型コロナ徳之島町13人、接待伴う飲食店クラスターも
龍郷、奄美市、与論でも確認 県くらし保健福祉部長「医療ひっ迫の重要局面」

県は11日、新型コロナウイルスの感染者が新たに108人確認されたと発表した。1日の感染者数としては、8日の104人を超え、過去最多となった。また、徳之島町の接待を伴う飲食店で6人が感染する県内51例目のクラスター(感染者集団)が発生。同町ではこのクラスターを含む計13人が感染した。このほか龍郷町が、障がい者施設で発生したクラスター関連3人、奄美市2人、与論町1人の感染も確認された。この日確認された奄美関連の感染者は計19人となった。記者会見した、県くらし保健福祉部の谷口浩一部長は、「感染者が加速度的に増加し、病床使用率が50%を超えるなど医療ひっ迫の重要局面を迎えている」と危機感を示した。

 県はクラスターが発生した徳之島町の飲食店について、利用客名簿が作成されておらず、不特定多数への感染拡大の恐れがあるとして、店名を同町亀津の「若月(わかつき)」と公表した。このクラスターによる感染者は20代~40代男女の同店関係者6人。利用客の感染は今のところ確認されていないが、利用客に感染が広がっている可能性があるため、県は、8月6日~同8日の3日間に同店を利用した人に、受診・相談センター(徳之島保健所=0997―82―0149=)に連絡するよう呼び掛けている。また、県はこれまでに、クラスター関連として約90件のPCR検査を実施しており、今後結果が判明する見込み。

 県によると、同店は10人程度の従業員が働いており、従業員を含め50人程度が利用できる広さと言う。空気清浄機が設置されていたが、窓はなく入り口のドアも閉めて営業していた。客席にはアクリル板などの設置はなく、マスク着用も不十分だったという。

 このほか同町では、10歳未満~30代の男女7人の感染が判明。クラスターを含めた同町の感染者は計13人で、うち1人が医療機関に入院、4人が宿泊施設で療養、6人が自宅待機している(2人は詳細不明)。

 龍郷町の感染者は50代~70代の男女3人でいずれも同町の障がい者施設のクラスターで、このクラスターの感染者は計16人となった。奄美市の感染者は30代と40代の女性各1人。与論町は80代女性1人だった。

 県内の累計感染者数は計4317人。6日現在、173人が医療機関に入院しており、うち22人が中等症で重症者はなし。168人が宿泊施設で療養、13人が自宅待機している。

 県内の奄美以外の感染者は、鹿児島市が63人、志布志市、姶良市、霧島市がそれぞれ4人、薩摩川内市3人、出水市、大崎町が各2人、さつま町、南種子町、西之表市、鹿屋市各1人。このほか、神奈川、東京、大阪在住の各1人あわせた感染者は108人。10日現在、230人が医療機関に入院、292人が宿泊施設で療養、61人が自宅待機している。