世界自然遺産の保護へGCFで資金調達

ふるさと納税の返礼品を前に、自然遺産保護を目的としたクラウドファンディングで連携する奄美大島5市町村の首長らと川村代表取締役

2750万円目標に広域連携 奄美・沖縄の7自治体

 奄美市、大和村、宇検村、瀬戸内町、龍郷町の奄美大島5市町村と、天城町、沖縄県竹富町の7自治体は13日、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を企画・運営する㈱トラストバンク(本社・東京都、川村憲一体表取締役)と共同で、世界自然遺産に登録された奄美・沖縄の自然環境保護を目的に、ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディング型の寄付を募る取り組みを開始した。目標寄付金額は7自治体あわせて2750万円で、奄美の6自治体は11月10日までの90日間寄付を募り、各地域の課題解決のための資金調達を目指す。

ふるさと納税活用

 奄美市、大和村、宇検村、瀬戸内町、龍郷町の奄美大島5市町村と、天城町、沖縄県竹富町の7自治体は13日、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を企画・運営する㈱トラストバンク(本社・東京都、川村憲一体表取締役)と共同で、世界自然遺産に登録された奄美・沖縄の自然環境保護を目的に、ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディング型の寄付を募る取り組みを開始した。目標寄付金額は7自治体あわせて2750万円で、奄美の6自治体は11月10日までの90日間寄付を募り、各地域の課題解決のための資金調達を目指す。

 同日、奄美市役所で共同記者会見があり、奄美大島5市町村の首長やトラストバンク社の川村代表取締役らが出席、広域連携ガバメントクラウドファンディング(GCF)の概要や参加自治体の取り組みとふるさと納税寄付者への返礼品の説明などを行った。

 同社が企画運営する「ふるさとチョイス」は、全国1600以上の自治体と契約、37万品以上の返礼品を掲載する、ふるさと納税総合サイト。今回、奄美と沖縄の7自治体と共同で行う広域連携GCFは、同じ課題を持つ複数自治体が連携、ふるさと納税制度を活用し地域課題の解決などを目指すものとして、全国的に注目されている。各自治体は、地域課題と解決策など寄付金の使い道を具体的に示すことで、寄付者の共感を得やすく、寄付者も地域支援通じて、自治体との交流などが深まることも期待される。

 同社によると世界自然遺産に登録された地域が連携したGCFは全国初の取り組みという。同社の川村代表取締役は「同じ課題を持つ自治体が連携することで、課題を解決するだけでなく、域外住民が購入するモノやサービスによって、地域内の経済循環が生まれる。自立した持続可能な地域となるようサポートしたい」と広域連携GCFの取り組みについて語った。

 各自治体はふるさと納税の返礼品として、黒糖焼酎やタンカン、スモモ、クルマエビなど地場産の農産物や特産品などを用意。同社のウェブサイトで寄付を募る。朝山市長は「寄付していただいた財源を有効活用し、自然遺産を守っていく機運を醸成するとともに、地域経済の活性化にもつなげたい」と抱負を語った。

 奄美の自治体の寄付目標額と使い道は次の通り。

 ▽奄美市 目標額300万円。アマミノクロウサギのロードキル防止策として、啓発物の製作と生態調査のためのカメラ設置。

 ▽大和村 同700万円。奄美フォレストポリス・水辺の広場に流入、堆積した土砂を取り除き元の状態に復旧。

 ▽宇検村 同100万円。「世界自然遺産博士講座」を開催し、子どもたちに奄美の森と海と水の大切さを伝える。

 ▽瀬戸内町 同300万円。アマミノクロウサギと共存するため、事故防止の看板、標識、減速帯などを設置、農作物の食害対策として侵入防止柵を設置。

 ▽龍郷町 同350万円。子どもたちに世界自然遺産に関心を持ってもらうため、自然を描くコンテストの開催。

 ▽天城町 同200万円。子どもたちが奄美、天城を学ぶ「あまぎ学」の授業を行うための副読本の作成。