初のステージ4引き上げ

県独自の緊急事態宣言発令8月31日まで

 【鹿児島】鹿児島県は13日、県庁で新型コロナウイルス感染症対策本部会議(本部長=塩田康一知事=写真=)を開き、県が独自で定める警戒基準をステージ4(感染者爆発的拡大)への引き上げを決めた。最高位となるステージ4への引き上げは今回が初めて。県独自の緊急事態宣言も発令した。期間は8月31日まで。

徳之島3町などに時短要請

 県内は8月以降感染者が急増。11日に108人を記録して以降、12日に154人、13日は158人と連日過去最多を更新しており爆発的な増加が続いている。11日時点で、最大確保病床に対する使用率57・4%、人口10万人当たりの療養者数40・5人、直近1週間のPCR陽性率14・3%、直近1週間の人口10万人当たりの新規陽性者数31・53人と警戒基準の主要7項目のうち四つがステージ4の基準を大きく上回っている。

 県では最大確保病床を30増やして458床とし、宿泊療養施設を現在の804室から100室程度増加するなど医療供給体制の確保に努めている。このままのペースで感染が増えると供給体制に深刻な状況を招きかねないため、ステージ4への引き上げと緊急事態宣言の発令を決めた。

 感染者急増の主な要因は「県外との往来と感染力の強いデルタ株のまん延」(塩田知事)と分析しており、県民に対して不要不急の外出自粛や、県外への往来の中止・延期を要請。加えて県外からの来県中止・延期を要請した。

 新規感染者が急増している徳之島町、天城町、伊仙町の徳之島3町と霧島市の飲食店に対して、16日から29日までの2週間、午後8時まで(酒類提供は午後7時まで)の営業時間短縮を要請。要請に応じた業者には協力金を支給する。県が定める第三者認証店については時短要請に応じるか、通常営業を続けるか選択できる。県有施設は一部を除いて原則休館とした。国に対するまん延防止等重点措置の適用要請に関しては、現時点での要請はしていないが「今後の対策の効果を見極めながら、国と情報共有しつつ検討を進めていく」(塩田知事)とした。

 塩田知事は「県内の感染状況は重要な局面を迎えており、今が正念場。県民の皆さんには危機感を持って引き続き感染防止対策をお願いしたい」と訴えていた。