緊急事態宣言下で空港に降り立つ来島者ら(14日、奄美空港で)
全国的に新型コロナウイルス感染が急拡大する中、お盆期間を迎えている。鹿児島県でも13日、県独自の緊急事態宣言が発令。奄美市笠利町の奄美空港では14日、例年ほどの混雑は見られないものの、観光客や帰省者を乗せた飛行機が次々と到着。県が不要不急の移動の自粛を呼びかける中、来島者らも急な感染拡大への対応に、苦慮した様子が見られた。
奄美空港の到着ロビーでは、大型のスーツケースを手にした家族連れや若者などの姿が目立った。出張で来た大阪府の男性(32)は「お盆でしかもこんな時期に本当は来たくなかったが、大事な客との打ち合わせで変更できなかった」と話した。
鹿児島便で降り立った男性は家族4人で来島し「どこから来たかはいいたくない」と述べ、PCR検査を受けて来たことを明かしつつも「鹿児島県(本土)は、大雨と感染拡大で大変なことになっている。(1カ月ほど前から予定していたにも関わらず)なぜ来たのか自分でもよくわからない」と言葉少なだった。
帰省する娘家族を迎えにきた笠利町の60代夫婦は「(県内感染者の)数日での急な拡大には驚いている。もっと早くにわかっていれば(自粛についても)対応もあるのだが…」と躊躇した様子で話した。
県は、夏休みやお盆期間を迎え県境を越える行動歴の感染者が増加していると指摘。メッセージでは、県外への不要不急の移動を自粛し、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象区域との往来を避けるよう呼び掛けている。
また県は、やむをえず来県する人についてはPCR検査の受検を要請。8月末までは県が利用料金の一部を負担。実施場所は羽田空港、伊丹空港などで、詳しくは県ホームページで確認できる。