徳之島地区消防組合 天城分遣所を「閉鎖」

職員の新型コロナ感染と濃厚接触で、異例の「閉鎖」措置に陥った徳之島地区消防組合天城分遣所(右・杉消防長ら)=14日、同本署

 

 

職員感染・濃厚接触で、到着時間ロス懸念
新型コロナ

 

 【徳之島】徳之島地区消防組合(杉順二消防長)は14日午前、緊急会見を行い、同消防職員の男性1人が新型コロナウイルスに感染するとともに、同僚職員14人が濃厚接触者に判定され、2週間の自宅待機を指示。消防・救急隊員不足に伴い「天城分遣所」(天城町天城)を27日まで閉鎖すると発表。同島北部地域への救急車到着時間のロスなど影響が生じることになった。

 同消防組合の杉消防長(59)らが同消防本署(徳之島町亀津)で会見。島内で新型コロナ感染症の拡大が続く中、感染していたのは今年4月に採用され現在研修中の天城町出身の20代男性職員。10日の本署勤務を経て天城分遣所に勤務中の12日午前、37度以上の発熱があり帰宅。同日夕には38度以上の熱が続き吐き気も伴った。13日に医療機関で検査の結果、陽性反応が。感染経路は不明で、ワクチンは「研修中のため未接種」だったという。

 徳之島保健所の聞き取り調査の結果、本署勤務職員の16人中6人、天城分遣所も11人中8人の計14人が「濃厚接触者」と判明。感染職員を含む消防・救急の現場隊員を中心に15人が2週間の自宅待機を余儀なくされた。14人ついても14日午後に検査を実施、判明は15日を予定。

 同天城分遣所(消防ポンプ車・救急車各1台配備)の通常の担当エリアは、天城町内および徳之島町北部地域。2週間の閉鎖中、天城町内における火災など初動対応は同町消防団が。救急出動は伊仙分遣所(伊仙町伊仙)、徳之島町北部の消防・救急は本署(亀津)が担う。

 だが、伊仙分遣所―天城町北端(与名間地区)と、本署―徳之島町北端(手々同)への到着所要時間はいずれも約40分。通常体制の倍以上の遅延、時間的なロスを生じることになる。

 杉消防長は「消防職員であり、感染予防には特に気を使ってきたつもり。マスクを外す食事時間の分散化も進めていたが気の緩みがあったのではないか。今後はより一層、危機意識を持って業務に励みたい」と陳謝。通常の救急要請(119番)については「救急車は日ごろから消毒など感染対策マニュアルに沿って徹底、安心してご利用を」と強調した。