夏休み、お盆の感染拡大警戒

奄美市が作成した感染拡大防止を呼び掛けるチラシ

奄美市・7月30日以降、34人
過去最多上回る勢い

 奄美市は、7月30日以降の新型コロナウイルスの感染者数が34人となるなど、増加傾向が続いていることから、市民や来島者らに広く感染防止対策などを呼び掛けるチラシを作成、市内の小売業者や飲食店などに配布、店内での掲示などに活用してもうことにしている。市健康増進課の徳永明子課長は「夏休みや新盆、旧盆などにより人の往来が増え、感染拡大傾向が強まっている。極力、人との接触機会を減らし、感染対策を徹底するようお願いしたい」と呼び掛けている。

 同市によると、昨年4月に初めて感染者が確認されて以降、同市の累計感染者数は16日現在、165人。うち、今年4月以降の感染者を月ごとにみると、4月27人、5月65人、6月7人、7月5人。8月は16日現在で33人となっており、これまで最多だった5月に迫る勢いで増えている。

 感染者が急増している現状について市健康増進課は、夏休みに入り島外からの観光客や帰省客が増えている点を指摘、徳永課長は、「PCR検査で陰性となって来島した場合でも、その後島内で発症するケースも確認されている。これから来島を予定している人には、出発前から大人数の会食をしないなど、体調管理の徹底をお願いしたい」としている。

 16日現在で、7月30日以降の感染者を年代別にみると、最も多いのは30代の11人で、次いで20代9人となっており、30代以下で全体の73%を占めている。また、同市によると、感染経路では家族内での感染が増えているほか、観光客や帰省客などの感染も確認されているという。

 8月に入り、奄美群島全体で感染者が増加している状況から、市内の医療機関や宿泊療養所での療養者も増加しており、徳永課長は「奄美の医療体制はかなりひっ迫した状態に近づきつつある。台風など天候によっては島外搬送が困難になることも想定される。改めて一人ひとりが感染対策を徹底し、感染しない、させない行動をお願いしたい」としている。

 また、同市では現在、奄美ワクチンセンター(奄美文化センター)で新型コロナワクチンの集団接種を実施しているが、若い世代の予約率が低い状況にあるという。今後の予約状況によっては、第4弾(9月6日~10月17日)の日程を繰り上げて終了する可能性もあり、市健康増進課は「接種予定の人は早めに予約してほしい。30代以下の感染が多いので、若い人にも積極的に接種してもらいたい」と呼び掛けている。