離島から申請もまだなし

「鹿児島県飲食店第三者認証」を示すステッカー

安全安心アピール 県の飲食店第三者認証今月中には調査員派遣
時短要請でも「通常営業可能」

 県は、県内の飲食店が取り組む新型コロナウイルス感染防止対策について、基準を満たした飲食店を県が認証し公表することで県民に安心して利用してもらおうと6月下旬から「第三者認証制度」を開始している。今月18日現在178店が認証されているが、いずれも鹿児島市を中心とした県本土の店舗で奄美など離島の認証店は誕生していない。事務局によると離島からの申請は数件出ていることから、今月中に調査員を派遣し基準に適合するか確認する方針だ。

 同制度は、新型コロナ感染防止対策で基準に適合した飲食店を県が認証し、認証ステッカーを交付することで感染防止対策の一層の徹底を図るとともに、利用者への安心と信頼の確保と社会経済活動の両立を図るのが目的。申請した店舗を県が現地調査し、消毒液の設置や換気、滞在時間の制限など37項目の基準に適合すれば認める流れ。

 「安心なお店 認証店」と記された掲示用のステッカー交付のほか、認証店名は県ホームページに掲載され、安全安心・信頼をアピールできる。県内の約1万4千店を対象にしているが、同制度事務局によると、認証店は178店で、まだ離島の店舗は認証されていない。事務局は「奄美を含む離島からの申請は数件ある。約20人の調査員が本土で申請店の現地調査を行っており、移動を伴うことから離島は申請数がある程度まとまってから調査を検討していた。認証を早期に進めるため、今月中には申請が出ている分の現地調査を行いたい」と説明する。

 調査員の離島への派遣だけでなく、地元の商工会など関係機関の協力のもと、現地ですぐに対応できる調査員の養成にも乗り出す。熟練の調査員を現地へ講師として派遣した上で、座学や調査研修を行い育成するもの。「こうした研修により奄美大島では2~3人の現地調査員の配置を考えている。同様の認証制度を取り入れている地元自治体もあり、県の制度はまだ浸透していないが、第三者認証によって得られる安心感をもっとPRしていきたい」(事務局)。

 国から新型コロナ感染症のまん延防止等重点措置地域に指定されたことを受けて鹿児島県は鹿児島市、霧島市、姶良市の3市を措置地域に指定。さらに県内全域の飲食店の営業を午後8時まで時間短縮要請(期間は今月20日~9月12日まで)することを決めた。この時短要請にあたり、第三者認証された飲食店は「時短要請に応じるか」「通常営業を続けるか」を選択できるメリットがある。

 なお認証の有効期間は、認証を受けた日から1年間。認証事業者の責務として▽認証にかかわる感染防止対策を誠実に実施し、従業員に実施を徹底させる▽認証ステッカーの適正な使用および管理を行う▽認証ステッカーの改ざん、譲渡を行わない▽知事等が行う認証施設にかかわる調査に協力する―がある。