登録後初の夜間合同パト

通行車両に希少種保全の普及啓発チラシを手渡す環境省職員

生物多様性守るため
監視・連携強化 環境省、自然保護協

 環境省奄美群島国立公園管理事務所と5市町村でつくる奄美大島自然保護協議会は18日、奄美市名瀬の林道の夜間合同パトロールを行った。同省は希少昆虫の発生時期で、来島者が増える8月から10月中旬の期間、盗掘・盗採防止の監視強化のため、毎年5市町の林道を巡回している。

 同日は、世界自然遺産登録後初めての合同パトロール。環境省と奄美市、鹿児島森林管理署の職員ら計6人が巡回を担当し見回った。この日はトラップや不審車両はなく、ハブ取り目的とガイドツアーの車両各1台に遭遇し、普及啓発のチラシを配布したという。

 奄美大島では6月下旬以降、トラップの設置が急増しいている。直近だと8月14日に国立公園の保護地区で違法トラップが見つかったほか、7月には奄美空港から島外へ大量の野生生物を持ち出した事案も発生。監視体制の強化を図っている。

 同省の後藤雅文離島希少種保全専門官は「世界自然遺産で価値が認められた生物多様性を守るためには、監視体制の強化と関係機関のスムーズな連携が欠かせない」と語った。監視体制の強化としては、パトロール回数の増加や監視カメラの増設なども視野に入れているという。