知名町・新庁舎建設住民説明会

新庁舎建設候補地について説明した今井力夫町長(右端)ら関係者=知名町あしびの郷・ちな=

候補地変更で事業費削減へ

 【沖永良部】知名町新庁舎建設住民説明会(同町主催)が22日、同町あしびの郷・ちなであった。当初の建設候補地の基礎工事に多額の費用がかかるとして、新たな候補地に「あしびの郷・ちな駐車場北側民有地」を選定したと報告した。

 同町では、当初の建設候補地だったあしびの郷・ちなに隣接する水利事業所南側の地質調査をした結果、基礎工事だけで2億8千万円の費用がかかることが判明し、候補地の再選定を行っていた。

 会場には住民約70人が来場。新型コロナウイルス対策として説明会の様子は動画配信サイト「ユーチューブ」でライブ中継され、80人ほどが視聴した。

 役場担当者が、候補地変更までの経緯を説明。選定理由では、基礎工事において大幅なコスト削減が見込まれることや、当初の候補地と比較して庁舎の周囲に駐車場を配置できるため利便性の向上につながることを挙げた。建設場所の南側に駐車場とヘリポートを配置する予定。

 庁舎の構造は、鉄筋コンクリート造で1部3階建て。太陽光パネルや蓄電池を導入し、停電時には3日間の発電が可能となる非常用発電設備と燃料備蓄棟の整備を計画している。庁舎工事を含む全事業費については概算で約19億円を見込んでおり、補助金の活用や交付税措置により実質負担額の削減を図るとした。

 候補地の変更に伴い、工事期間は2022年1月から23年5月まで。同年7月の運用開始を目指す。

 参加者からは「新しい候補地は勾配がきつく、危険ではないか」「ヘリポートの周囲には民家があり、安全面や騒音などに配慮しているのか」などの質問が出た。