県大島支庁瀬戸内事務所で担当者に要望書を渡した瀬戸内町嘉徳住民代表の武氏(左)ら
護岸工事で県、町へ要望書
瀬戸内町嘉徳住民ら
瀬戸内町嘉徳の住民らは23日、県大島支庁瀬戸内事務所と同町役場を訪れ、県が同町嘉徳海岸で計画している浸食対策工事の入札などについて、入札延期や住民説明などを求める要望書を塩田康一知事、鎌田愛人瀬戸内町長宛てに提出した。
要望書は、松本晋平氏、武久美氏、ジョンマーク髙木氏ら同住民12人が連名で提出。住民に対して最新の工事計画の説明がないまま、入札情報(26日開札)が公開されているなどとして、▽入札延期と説明会の開催▽住民、関係者、専門家を含めた協議の場の設置▽町地域防災計画の護岸計画に係わる津波浸水想定が誤っているとして、町防災会議での早急な審議―を求めている。
県大島支庁瀬戸内事務所では、髙木氏や武氏ら5人が訪れ、「嘉徳海岸は奄美でも最後に残った護岸のない唯一の集落。(住民への)説明もなく着工はありえない」などと述べ要望書を提出。対応した同建設課担当者は「関係機関につなぎたい。あとは県知事が判断する」と話した。
同海岸は、2014年の台風で砂浜が浸食した。地元住民らが護岸対策を要望し、県は検討委員会の結論などを踏まえ、延長180㍍のコンクリートブロックによる護岸整備計画を決定。19年の5月末と6月中旬には同課職員が住民を戸別訪問し工事について説明していた。
一方、同住民らは砂浜が回復しているなどとして、住民説明、協議の場設置を要望。17年には署名活動(手書き2425筆、ネット署名3万1957筆)を行い両者に提出していた。