三太郎線ナイトツアールール案、合意

三太郎線のナイトツアー試行ルールについて協議した夜間利用適正化連絡会議(住用総合支所会場)

10月29日から試行ルール通年運用開始
利用適正化連絡会議 周知徹底が重要に

 奄美大島三太郎線周辺における夜間利用適正化連絡会議(事務局=環境省と県・市の担当課)は24日、2021年度第1回目の会議をオンライン(奄美市役所、住用総合支所会場も設置)で開いた。自然保護と利用の両立を目指し、持続可能な利用ルールをつくることが目的。ゴールデンウイーク期間中に行われた第2回実証実験について意見交換結果を共有後、今後運用される試行ルールが合意された。2か月間の周知期間を経て、10月29日から通年でのルール運用を開始(予約開始は8月中を目指す)。その後もモニタリングを続け、来年1月に試行状況報告会を行う予定。

 第1回実証実験は昨年11月下旬。今年2月に実験結果や改善したルールなどを住民や関係者に報告。4~5月の大型連休中には第2回実証実験を行い、7月中旬に結果説明会を2回実施して意見交換を行っていた。

 会議には関係者約40人が参加。同連絡会議は第2回実証実験結果説明会での主な意見と対応策について報告。それを踏まえ、今後実施する試行ルール案や運用について、あらかじめ関係者から集約した意見をもとに議論を交わした。

 会場からは、「三太郎線だけでなく、その他のルールやマナーもまとめた奄美版ルールブックの発行を」「航空、船、レンタカー会社との連携など、周知徹底の方法が重要」「地域の経済効果など、地元の空気を盛り上げる必要がある」など、さまざまな意見や要望が出た。

 10月29日から運用される試行ルールは次の通り。(1)三太郎線の利用については、事前にWEB上の予約システムで各自予約を行う。奄美市住用総合支所と奄美野生生物保護センターでも予約可(2)三太郎線の走行方向は両方向とするが、入れるのは30分間隔で各方向1台ずつ。1時間あたりの利用台数は4台まで。4~9月は午後7時から翌朝5時まで、10~3月は午後6時から翌朝6時まで適用(3)スタル俣線は夜間通行自粛。石原栄間線利用は予約時に申請し、異常を確認した場合は報告(4)夜間の野生動物観察ルールとして▽時速10キロ以下で走行▽前の車に追いついたら待機、左ウインカーが出るまで無理に追い抜かない▽哺乳類・鳥類からは2メートル以上離れて観察する▽生きものを探すライトは車につき1本―など(5)夜間野生動物観察に不慣れな人はガイドの同行(有料)を推奨する―など。

 ルールの詳細は事前予約時に周知を図る。試行ルール運用開始後は、利用の多い連休などを中心に、しばらくの間は現地にスタッフ等を配置し、予約確認やルールの周知・協力依頼を行う。また、周知徹底のため、現場に看板を立てる、航空・船・レンタカー会社・宿泊事業者等への協力要請、集落での勉強会なども行っていく。