全国大会出場を果たした朝日中学校吹奏楽部(提供写真)
奄美市名瀬の朝日中学校吹奏楽部(橋口通顧問)が、第66回九州吹奏楽コンクール(九州吹奏楽連盟など主催)の中学校の部で金賞に輝き、上位4校が手にする全国大会への切符を獲得した。奄美群島の中学校では44年ぶり。史上最少ともいわれる14人、少人数での出場権獲得は前代未聞の快挙で、3年生の平野愛海部長は「全員が落ち着いて楽しむことを一番に自分らしさが出せた。信じられなくて夢の中にいる感じ」と喜んだ。
同部は、7月24~31日の県コンクールを経て県代表に選ばれていた。部員数は14人。20人以内のBパートには出ず、1校最大50人まで参加が認められるAパートで挑戦し選出。当時から「20人未満での九州大会出場は聞いたことがない」と話題に上がっていた。
そんななか、九州大会は今月21日に福岡市の福岡サンパレスホテル&ホールであり、九州・沖縄各県の代表28校が集った。大会では、課題曲と自由曲の2曲をどこよりも明るく演奏。ほとんどが50人近い編成のなか、最も少ない13人で挑み、金賞を受賞した。
橋口顧問は、後日届いた吉報を知らせるメールに「うそだろ。大変なことになった」と歓喜し、部員らも涙。「13人だからこそ一人ひとりの音色が際立った。平常心で挑めたのも大きく、(出場権獲得は)明るさの賜物だ」と振り返り、部員を称えた。
審査員の講評では「小編成のお手本」「メロディーが美しい」「一人ひとりの心の音が響いている」などの賛辞が並んだ。中には「めちゃくちゃ美しい。よくぞ舞台に立ってくれた」「夢のような音楽をありがとう」といった言葉もあった。
吹奏楽の甲子園とも呼ばれる「全日本吹奏楽コンクール」の出場は同校初。奄美では1977年の名瀬中以来。平野部長は「またみんなと演奏できる。楽しむことを忘れず、小編成でもここまでできるということを証明したい」と決意を込めた。
全国大会は10月23日、名古屋市の名古屋国際会議場である。