喜界町 通学バスを時間差運行

あす1日から2学期スタート
感染拡大の奄美群島
始業式、校内放送も

 

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、奄美群島の学校では、あす1日から2学期がスタートする。県内の学校では、文部科学省が地域一斉の休校に慎重姿勢を示していることもあり、多くの学校で休校などは実施されない。奄美市や喜界町では、10歳未満や10代の感染も報告されており、学校の始業による感染拡大も懸念されるが、8月以降、感染者が急増した喜界町では、喜界小学校と同中学校の通学バスの時間帯をずらし、時間差登校するなど独自の感染対策を行うことで、子どもたちの安全確保に取り組む。

 県内では、学校のサークル活動でのクラスター(感染者集団)も発生。県教育委員会は27日、各市町村教委に対し、始業式や全校集会を校内放送などで行うよう通知、学校現場も子どもたちの安全確保に万全を期すため、感染防止に努めている。

 奄美市教委では、小規模校を除く小中学校で校内放送による始業式の実施を決定、児童生徒が一斉に集まる環境をつくらないよう各学校に指示した。また、給食については、食事前後の手洗いの徹底や(対面にならないよう)席の配置を工夫、食事後はマスクを着用することなども指導した。

 喜界町の喜界小(児童267人)と同中(生徒179人)では、地区ごとに運行する4台のスクールバスについて、小学生と中学生を分けて乗車させる時間差運行する。通常の登校時間帯には、小学生のみが利用、その後、約1時間半遅れて中学生が利用する。このため、同中学校の就業時間も通常より約1時間遅い、午前9時40分にした。

 両小中学校では児童、生徒それぞれ約60人ずつの計120人がバス通学利用している。今回、島内で新型コロナの感染者が多数報告されていることから、バス内の過密状況を避けるための措置で、同町教委は「子どもの学びの場を止めないためにも、子どもたちから感染者を出さないよう万全を期したい」としている。

 ただ、全国的にも家庭内感染が増加している状況などもあり、今後、児童生徒の中から感染者が発生する可能性もある。奄美市教委の担当者は「感染状況によっては、学級閉鎖や学年閉鎖、休校といった対応も想定しながら、学校現場との連携を密にし、速やかに対応できるよう体制を整えておく必要がある。万が一に備え、しっかり準備したい」としている。