奄美市新庁舎すべて完成

テープカットで新庁舎の整備完了を祝う朝山市長ら関係者

市民広場と立体駐車場の供用開始 テープカットで整備完了祝う
朝山市長「市民の共有財産、快適な場所に」

 奄美市が整備を進めてきた市役所庁舎前の市民広場と立体駐車場が完成、2014年11月から進めてきた新庁舎の整備事業がすべて完了したことを受け1日、市民広場とつながる庁舎2階正面玄関前で記念式典が行われた。新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、当初予定より規模を縮小された式典には、朝山毅市長や市民団体の代表らが出席、テープカットを行い、新庁舎の整備完了を祝った。

 テープカットに先立ちあいさつに立った朝山市長は「合併15周年を迎え、世界自然遺産登録も実現した歴史的な年に、庁舎が完成したことは大きな喜び。 市民共有の財産として50年、100年後も市民が利用しやすい快適な場所となるよう、市民サービスの向上に努めたい」などと述べた。

 市民広場と立体駐車場の整備費は13億6千万円。本庁舎を含めた総事業費は約76億円。市町村合併後の2014年11月の基本構想策定から約7年がかりで進められた新庁舎整備事業。鉄筋コンクリート9階建て延べ床面積約1万2500平方㍍の本庁舎は、16年9月に1期工事として着手され、19年1月に完成、同年2月に開庁した。

 震度6強の地震に耐えられるという「柱頭免震構造」を採用。津波などに対応するために行政機能は2階以上に置き、1階は駐車場や駐輪場、2階に市民利用が多い福祉や会計など市民窓口をまとめた。

 市民広場と立体駐車場(2期工事)は、昨年3月に工事着手、今年5月に完成。広場につながる名瀬小学校前の市道整備が8月末に終了したことから、今回、供用開始となった。

 市民広場は鉄筋コンクリート2階建て、延べ床面積1348平方㍍。庁舎正面の壁面には大島紬をモチーフにした大きなスクリーンを設置、広場の休憩棟として鉄骨造りの高倉を整備した。かまどとして使用できるベンチも配置し、災害時には炊き出し場所として活用できる。また、植え込みには、シンボルツリーとしてガジュマルを植栽したほか、ソテツなど14種の在来植物で奄美らしさを演出している。

 立体駐車場は、鉄骨4階建て4層5段の構造で、延べ床面積2742平方㍍。1階部分は市民広場1階部分とあわせて来庁者用の駐車場(55台)が設けられている。2階から屋上までは公用車用の駐車場(102台)となる。

 式典に出席した奄美市身体者障がい者協会の里島光一郎会長(80)は、「いたるところにバリアフリーの考えが生かされた市民にやさしい庁舎となっている。障がい者も利用しやすくなっているので、とてもありがたい」と喜んだ。