「一騎打ち再戦」公算大

コロナ禍の「一騎打ち再戦」が公算大となった伊仙町長選への両後援会事務所(写真上・大久保氏陣営、下・伊喜氏陣営)=1日、同町

伊仙町長選 両後援会事務所そろう
静かな選挙望む声

 【徳之島】任期満了に伴い10月12日告示・同17日投開票される伊仙町長選挙。現職の大久保明氏(67)=伊仙=が今年の町議会3月定例会で連続6選出馬を表明したのに続き、前回選で争った元副町長で新人の伊喜功氏(67)=犬田布=も1日午前、後援会事務所開きを行い〝一騎打ち再戦〟の公算が大きい。新型コロナウイルス禍で双方ともに〝動員なき前哨(しょう)戦〟の様相に一変。町を二分する接戦は必至の情勢だが、「3密回避」の静かな選挙を望む声は強い。

 任期満了(10月30日)に伴う同町長選に向けては、現職の大久保氏が町議会の一般質問に「町のため全身全霊で尽くしてきた。未来創生へさらなる飛躍、全ての町民が主役のまちづくりへ」と6選出馬を表明。連続5期目の組織基盤力を生かした後援会活動では「町民総参加のまちづくりを誠の政治力で―」と6つ重点政策などをアピールしている。

 前回選(2017年10月)に初立候補、大久保氏に121票差で涙をのんだ伊喜氏と陣営側は、後援会活動を今年再開し4月以降本格化。町議7人の議会報告「大久保町政5期20年間の総括」で町職員不祥事など現職批判を展開。「変えよう今度こそ、澄みきった町へ! 夢と喜びの伊仙町へ」と強調。草の根活動でアピールしている。

 両氏の後援会事務所はともに西伊仙西集落にあり、直線にして約200㍍。1日午前10時からあった伊喜氏の同事務所開き(神事)には同氏夫妻と後援会長ら4人のみが参加。関係者は「有権者住民のみなさんの健康・生命を脅かす新型コロナ。感染リスクを冒してまで動員をかけることは失礼」。大久保氏事務所(常設)ともに過去の前哨戦からは一変して事務所詰めの支持者たちの姿は少ない。住民の間には過熱選挙の一因ともなった「顔見せ動員、駆り出しも防げる」との声も。

 衆院議員選(10月5日公示・同17日投開票)との重複が予想される中、伊仙町長選の立候補予定者説明会は今月24日午前、町選挙管理委員会会議室である。両氏のほかに動きはない。10月12日の告示から5日間の選挙戦をはさみ17日に投票、町中央公民館で即日開票される。

 今月1日現在の選挙人名簿登録者数は5280人(男2700人、女2580人)。