「地域航空サービスアライアンス LLP」をPRするメンバー5社(提供写真)
日本エアコミューター(JAC、霧島市)、天草エアライン(AMX、熊本県天草市)、オリエンタルエアブリッジ(ORC、長崎県大村市)の九州を拠点にする地域航空3社と、全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)の大手2社がメンバーとなっている地域航空サービスアライアンス有限責任事業組合(EAS LLP)は8日から、共同プロモーションを開始した。第一弾は3地域に共通する「世界遺産」がテーマ。SNSなどにより特徴ある奥深い魅力を紹介することで、アフターコロナに向けて就航地域への関心を高め地域航空利用促進を図っていく。
同事業組合の英語表記の略記である「EAS LLP」は2019年10月に設立。競争よりも連携で地域の足を守ろうと将来的には共同運航を目指しながら、事業として▽安全基盤の確立と安全運航確保のための航空技術協力の推進▽営業販売強化推進▽各種調達の効率化推進―といった業務を掲げている。
今月8日から始まった共同プロモーションの実施期間は来年3月いっぱい。「EAS LLP」メンバー会社で統一的なテーマを掲げて、それぞれの就航地域の自然景観、生活文化、伝統的歴史など観光資源やその魅力を紹介するほか、商品・サービスの紹介などに関する情報を発信していく。
第一弾の共通テーマは「世界遺産」。地域3社の就航地には、7月26日に世界自然遺産に登録された「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」を最新に、同様に世界自然遺産では「屋久島」(1993年登録)、世界文化遺産は「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」(2015年登録、岩手・静岡・山口・福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島)、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(18年登録、長崎・熊本)がある。
こうした共通する世界遺産をメンバー各社のSNS(フェイスブックなど)や自社媒体で周知、情報発信するもの。熊本や長崎にも奄美・沖縄の世界自然遺産が紹介され、奄美に就航しているJALだけでなくANAによって全国、海外にも発信される。「魅力を広く訴求することで、離島生活路線などの航空路線販売を促進していく」(事務局)。今回を皮切りに第二弾以降は、「食」など離島地域の特色を生かした統一テーマの設定を行うという。
なお、「EAS LLP」の活動期間は4年間の予定。3年を経過した時点で取り組み状況を検証し、以降の対応を協議するとしている。