左から、インターンシップ生の小祝さん、本間さん、住谷さん、
プログラムの施行に向けた議論中、村上代表の声に耳を傾ける学生たち
龍郷町の一般社団法人「E,more(いもーれ)秋名」(村上裕希代表)は今月17日までの1カ月間、大学生のインターンシップを受け入れている。神奈川県と北海道から訪れた3人の学生は、表面的な観光だけではない、関係人口創出を目的としたプログラムを考案中。11月のモニターテスト実施に向けた計画は佳境に差し掛かっている。
宿泊や飲食を通して地方創生や関係人口増加に取り組む同法人。長期で実践型のインターンシップ生の受け入れは今回が初めて。
訪れたのは、日本女子大学家政学部食物学科3年の住谷遥夏さん(21)、フェリス女学院大学国際交流学部3年の小祝沙百合さん(20)、小樽商科大学商学部商学科2年の本間聖菜さん(19)。3人は同法人が運営する宿泊飲食施設内の「あらば食堂」で職業体験をしながら、地域住民と積極的に交流を図り、プログラムの方向性を定めている。
今回考案しているプログラムのモニターテスト対象は大学生で、期間は2泊3日。11月上旬の実施を予定する。内容は、学生らが肌で感じた集落での経験や地域住民の意見、島外学生向けアンケートを基に計画を練っている段階。学生らは6日、村上代表の助言を受けながら「帰ってからも地域の人の顔を思い出せるようなプログラムにしたい」「観光を前面に押し出すことは、地域が求めていないのでは」「誤解がないように、ツアーという名称を使わない方がいいかも」などと活発に意見を出し合った。
また、今月ネット上で大学生を中心に募集したアンケートには、180を超える回答があった。プログラムの中で人気が高かったのは、「地域の“おば”に教えてもらい島料理をつくる」企画だという。
3人それぞれが集落の魅力に触れるとともに、訪問者と地域、双方のためになるプログラムを形作る難しさにも直面していた。
村上代表は「学生たちが真剣に向き合ってプログラムが作られていく過程はかけがえなく、ありがたい。大学生が1カ月間集落にいることが地域のにぎわいにつながり、自分たちが普段意識していなかった学生たちの『問い』が刺激になる」と語った。
今月、地域住民や行政職員へ向けた結果報告会を予定している。