オンラインで行われた「奄美の環境文化を付加価値化する先駆的な人材育成プログラム」の開講式(提供写真)
奄美群島に特化した起業家・職業人を育てる教育プログラム「奄美の環境文化を付加価値化する先駆的な人材育成プログラム」の開講式が12日、オンラインであった。「起業家」「WEBデザイン」「事業主・行政職」の3コースに71人が受講。奄美群島固有の〝環境文化〟を学び、次世代につなぐ暮らしを創造する専門人材やビジネスの裾野を拡大する経営候補者などを育てていく。
鹿児島大学が主催。文部科学省の「就職・転職支援のための大学リカレント教育推進事業」を活用し、県や奄美群島広域事務組合などが協力。環境文化とは、自然や歴史との調和の中で培われた暮らしや集落に息づく伝統文化・地域特性で、世界自然遺産登録を追い風に奄美群島の自立的発展に向けた地域資源につなげたいとの狙いもある。
講座は、環境文化を深く知るための共通科目(50時間)とコースごとに学ぶ専門科目(12~30時間)で構成。開講期間は来年1月30日まで。「起業家」の専門科目では、ビズネスプラン構想や地域戦略、経営手法などの専門分野を受講。「WEBデザイン」では、サイト構築力や運用スキルのほか、環境文化を生かしたWEB発信力の獲得を目指し、「事業主・行政職」では、事業マインドや外部発注を想定したディレクション能力などを身につけていく。
講師陣は、同大教員や奄美博物館の高梨修館長をはじめ、専門機関や民間からも登用。講座はオンラインや対面、ワークショップなどの実習を通して、環境文化に対する知識や意識を高めていく。
開講式では、同大の武隈晃教育担当理事が「鹿児島大学にとって奄美は重要な地域。一つは教育研究の場、もう一つは資源に対してどのように貢献できるかが問われている」などあいさつ。受講者を代表し徳之島在住の福本慶太さんは「まだまだ知らない徳之島がたくさんある。島の魅力を学び、生業創出のために活用したい」と抱負を述べた。
受講者らは式後にガイダンスを受け、早速「奄美環境文化入門」と題した1回目の講義を受講した。