奄美、7割減の899人

県内8千減の5万4千人 大規模校中止など響く
20年県内修学旅行まとめ

 県教育旅行受入対策協議会(事務局・県観光連盟)はこのほど、2020年県内の「修学旅行入込状況調査」をまとめた。県内入込数は、学校数で前年比23校増の602校と伸びたものの、宿泊者数では対前年比87・33%の5万4405人と7895人が減った。奄美地区は、同28・65%の899人と7割超が減少。コロナ禍の中、主力となる関西圏など県外大規模校での中止やキャンセルが響いたとみられる。

 調査は㈱九州経済研究所に委託。集計は21年1~12月に修学旅行などで宿泊した延べ人数で、県内のホテル・旅館45施設、民泊受入3団体を対象に調べた。

 県内地区別では、霧島が対前年比302・09%の1万4857人、指宿が同110・44%の1万2879人と2地区で増加。南薩は0人、北薩は同0・3%の180人、種子屋久は同6・1%の3337人など、残り6地区では前年を下回った。

 学校種別では、中学校が2116人増の2万2504と増えたものの、小学校が517人減の1万2300人、高校が9891人減の1万8267人と減少した。

 発地別では、小学校が県内と宮崎県が全体の96・5%を占め、中学校では、福岡県が8597人、県内4385人と続き、高校では前年実績のない県内が5351人と最も多く、大阪府2139人、兵庫県1678人と続いた。

 奄美地区は、前年比6校減の5校が来島。宿泊者数は2239人減の899人。発地別では、県内が2校、東京都、兵庫県、奈良県からそれぞれ1校。兵庫県の588人が最も多く、前年742人の岐阜県、502人の大分県からの利用はなかった。

 同協議会は、県境をまたぐ移動制限下で県内学校が県内に行先を変えたことで学校数は増加したものの、大人数を抱える県外都市部での中止が相次ぎ、感染対策として日程を短縮したことなども響いて、宿泊者数は減少したと分析。同事務局担当者は、今年もコロナ禍の移動制限などで厳しさは続くとみており、「県外でのセールスは難しい状況。県内各教育委員会には支援制度などを使った近場での実施を呼び掛けており、県内で誘致を進めながら利用数確保につなげていきたい」と話した。