県議会代表質問

新規感染20~50歳代が6割以上
12歳以上人口8割2回接種ワクチン10月上旬までに市町村へ
世界遺産委 要請事項対応へ協議開始

9月定例県議会は17日、代表質問があり、いずれも自民党の郷原拓男議員=鹿屋市・垂水市区=、宝来良治議員=鹿児島市・鹿児島郡区=が登壇。新型コロナウイルス感染症対策で7月以降の新規感染者の年代別は20~50歳代が全体の6割以上を占めることが報告されたほか、ワクチン供給スケジュールに関し12歳以上人口の8割が2回接種できるワクチン量が、「市町村へ10月上旬までに届けられる予定」との方針が示された。

谷口浩一くらし保健福祉部長が答弁。7月以降の新規感染者数は9月14日現在5225人で、年代別では20歳未満23・1%、20~50歳代64・2%、60歳以上12・7%となり、2割以上を占める20歳未満を含めて若い世代の感染割合が高い。

7月以降の変異株状況は、9月10日までに変異株スクリーニング検査を1782件実施したところ、1559例が陽性となり、直近の陽性率は9割を超えている。このうち感染力が強いとされているデルタ株への感染は9月10日までに217例確認されており、谷口部長は「県内ではデルタ株にほぼ置き換わっていると認識している」と述べた。

世代別のワクチン接種率の報告もあった。9月13日時点で1回目=10歳代21・6%、20~30歳代43・5%、40~64歳まで67・7%、65歳以上の高齢者92・0%。2回目=10歳代9・1%、20~30歳代25・5%、40~64歳まで47・9%、65歳以上90・2%。高齢者は2回目でも9割に達している一方、10歳代の2回目はまだ1割に達しおらず、20~30歳代も3割以下と、若い世代の接種がまだ進んでいない。

妊娠後期に感染すると重症化しやすく早産のリスクも高まるとされている妊産婦への取り組みでは、不安を抱える妊産婦が医師と相談し、本人が希望すれば分娩前のPCR検査費用の補助が行われている。昨年10月から今年7月までに584件の助成を報告。感染した場合の妊産婦への対応では受入医療機関について随時協議を行うほか、容体が急変した場合には現在、奄美地域を含めて県内6カ所の医療機関で対応する体制を整えているとの説明があった。

奄美大島・徳之島の世界自然遺産登録についての質問もあった。自然環境の保全と利用の両立など関係機関などが連携した取り組み内容について松下正環境林務部長は「これまで世界自然遺産候補地域連絡会議のもと島ごとの地域部会を設置し、希少種保護、外来種対策、適切な観光管理等にかかる行動計画を策定のうえ、連絡調整を図りながら自然環境の保全と利用の両立、機運の醸成など必要な取り組みを進めてきた」と述べるとともに、遺産登録後は「会議の名称を『世界自然遺産地域連絡会議』に変更して遺産登録地の保全管理等を推進することとしている。先月開催した同会議、奄美大島部会、徳之島部会において世界遺産委員会が決議した要請事項等の対応について協議を始めたところ」と説明した。

登録により今後増加が見込まれる外国人を含む観光客などの受入体制整備について悦田克己観光・文化スポーツ部長は「ソフト面では今後は例年、鹿児島市で開催している外国人観光客受入体制推進講習会を奄美大島でも開催するほか、地域通訳案内士や認定エコツアーガイドの育成も進めている。ハード面では今年度、奄美歴史ロマンを巡る観光ルートの解説板整備や奄美トレイルの園地整備などに取り組む」と述べた。